2015年02月02日

第4章 テクニカル分析実践:サポートライン、レジスタンスライン、トレンドラインについて

市場では多くの投資家が様々な材料を駆使し、値動きを分析、自分のトレードの判断材料として使っています。その中には、一定の割合でテクニカル分析を行っている投資家が存在し、そこにもある種の集団心理が形成される可能性があります。テクニカル分析により形成される集団心理とは、多くの投資家が同じ指標やチャートパターンに注目し、トレードの判断材料として使うことから、テクニカル指標の数字やチャートパターンそのものをきっかけに価格が動くというものです。

 

本来テクニカル分析とは、市場の投資家の集団心理の傾向を、テクニカル指標を使って捉えていこうとするものなのですが、逆にテクニカル指標そのものがきっかけとなって、集団心理を形成することがあるのです。それが、一般的に「テクニカルな値動き」とか「テクニカルな節目」と呼ばれるものです。この章で紹介するサポートライン、レジスタンスライン、トレンドラインもそのようなテクニカルな要素が集団心理を形成する1つといえます。

 

チャートを見るときには、そのままの状態でローソク足を単独で見るよりも、「線」を引くことにより、相場の状況がより明確になることがあります。「線」はその向きにより大きく2種類に分けられますのでそれぞれ紹介していきます。

 

サポートライン、レジスタンスライン :水平線

トレンドライン :斜め線

 

実際の値動きの中で、ライン付近で相場が押し戻されることは多く、これらのラインを引くことによって、上昇や下落について、ある程度の見通しを立てられるようになります。

 

「サポートライン、レジスタンスライン」

サポートライン、レジスタンスラインは、値動きがそこで反発したり留まったりすると予想される価格に引く水平の直線です。

 

サポートラインは、特に目立っている安値を通るように引きます。

レジスタンスラインは、特に目立っている高値を通るように引きます。

 

ラインを引く際に目安とする高値や安値は1つだけでも構いませんが、2つや3つといったようにより多くの同じ様な価格帯で高値や安値が存在しているほど、その価格帯が多くの投資家に意識されていると考えることができますので、採用する価格は多い方がより安定的といえるでしょう。また、日足で引いたラインよりも週足で引いたラインのように、より長い時間軸で引いたラインほど長期的な影響を受けると考えることができ、重要度が高くなります。

 

また、目安となる前の高値や安値のほかにも、「100円ちょうど」といったようなキリのよい価格もサポートラインやレジスタンスラインになることがあります。

グラフィックス1

「トレンドライン」

トレンドラインは、価格の上昇や下落の方向に沿うように引いた斜めの直線です。

 

上昇トレンドラインは、アップトレンド中で特に目立っている複数の安値を結ぶように引きます。

下降トレンドラインは、ダウントレンド中で特に目立っている複数の高値を結ぶように引きます。

 

トレンドラインを引くには、2点の高値(安値)同士を結ぶことで、単純にラインを引くことができますが、結ぶ高値(安値)の数が多いほど、また、日足より週足など、より長い時間軸で引いたラインほど重要度が高くなります。

グラフィックス2

●サポートライン、レジスタンスライン、トレンドラインの見方

ここではサポートライン、レジスタンスライン、トレンドラインの代表的な見方を紹介します。

 

①ライン近辺で反転する

サポートライン、レジスタンスラインは、チャートを見た時点から考えて、今後、価格が反転する可能性がある価格水準の目安としてみます。

 

グラフィックス3

トレンドラインは、チャートを見た時点から考えて、今後、価格が反転してトレンド方向に戻る可能性がある目安のラインとしてみます。

グラフィックス4

②サポートライン、レジスタンスラインをブレイクアウトするとトレンドが発生する

価格がサポートライン、レジスタンスラインを超えることをブレイクアウトといいます。ブレイクアウトすると、それまでにその価格帯で抵抗を作っていたエネルギーが破られ、反対方向への値動きが形成されますので、その方向に新たにトレンドが発生することが多くなります。

グラフィックス5

③トレンドラインを超えるとトレンドが転換する

価格がトレンドラインを超えると、それまでのトレンドが転換したり、値動きが小さくなってレンジ相場になることが多くなります。

グラフィックス6

④ラインを超えるとそのラインの役割が逆転する

価格がサポートラインやレジスタンスラインをブレイクアウトすると、ラインの役割が逆転します。つまり、それまでのサポートラインはレジスタンスラインに、レジスタンスラインはサポートラインとして機能します。

グラフィックス7

同様に、トレンドラインを超えても、ラインの役割が逆転します。つまり、上昇トレンドラインを下に割れると、それまで価格の下落をサポートしていた上昇トレンドラインは、上昇を抑えるラインとして機能します。下降トレンドラインを上に超えると、それまで価格の上昇を抑えていた下降トレンドラインは、下落をサポートするラインとして機能します。

グラフィックス12

●サポートライン、レジスタンスライン、トレンドラインの使い方

ここまでサポートライン、レジスタンスライン、トレンドラインの見方を紹介してきましたが、ここでは実践的な使い方を紹介します。

 

①レンジ相場を想定した売買

一定のレンジで価格が推移しているとき、今後もレンジ相場が続くことを想定した売買をすることができます。それまでのレンジの高値にレジスタンスライン、レンジの安値にサポートラインを引き、その後相場が動いて、価格がサポートライン近辺にきたら買い、レジスタンスライン近辺にきたら売ります。

グラフィックス8

②トレンドの継続を想定した売買

トレンドが発生しているとき、今後もそのトレンドが続くことを想定した売買をすることができます。アップトレンドのときは、それまでの目立った安値2箇所以上で上昇トレンドラインを引き、その後相場が動いて、価格が上昇トレンドライン近辺にきたら買います。

 

ダウントレンドのときは、それまでの目立った高値2箇所以上で下降トレンドラインを引き、その後相場が動いて、価格が下降トレンドライン近辺にきたら売ります。

グラフィックス9

③レンジブレイクによるトレンド発生を想定した売買

一定のレンジで価格が推移しているとき、今後、ブレイクアウトによりトレンドが発生することを想定した売買を行うことができます。

それまでのレンジの高値にレジスタンスライン、レンジの安値にサポートラインを引き、その後相場が動いて、価格がレジスタンスラインを明確に上回ったら買い、サポートラインを明確に下回ったら売ります。また、ブレイクアウト後にラインの役割が逆転することを利用し、レジスタンスラインを上回った後、再びラインに戻ってきたところで買い、サポートラインを下回った後、再びラインに戻ってきたところで売ることもできます。

グラフィックス10

④トレンドの転換を期待した売買

トレンドが発生しているとき、その後トレンドが転換することを想定した売買をすることができます。アップトレンドのときは、それまでの目立った安値2箇所以上で上昇トレンドラインを引き、その後相場が動いて、価格が上昇トレンドラインを明確に下回ったら売ります。

 

ダウントレンドのときは、それまでの目立った高値2箇所以上で下降トレンドラインを引き、その後相場が動いて、価格が下降トレンドラインを明確に上回ったら買います。

 

また、ラインを超えた後にラインの役割が逆転することを利用し、上昇トレンドラインを下回った後、再びラインに戻ってきたところで売り、下降トレンドラインを上回った後、再びラインに戻ってきたところで買うこともできます。

グラフィックス11

■HLバンドについて

ここまでサポートライン、レジスタンスライン、トレンドラインの見方や使い方を紹介してきました。非常に有効な方法ですが、ラインを引く人により個人差が出るという欠点を持っています。ラインを駆使して利益を上げて行くためには、自分なりのラインに引き方、使い方を習得する必要があり、実際にいろいろなラインを自分で引いてみて、相場の中で経験を積んで身に着けていくことが必要です。

 

この欠点を補う方法として、HLバンド(High Low Band)が利用できます。HLバンドを使うと、サポートライン、レジスタンスラインを誰でも同じように表示できますので、知っておくと便利です。

 

HLバンドとは、たとえば20日HLバンドなら、過去20日間の最高値のラインと、過去20日間の最安値のラインを表示する、というものです。この算出期間を長くすれば、より重要な高値や安値をもとにしたサポートラインやレジスタンスラインを表示させることができます。

 

このHLバンドをサポートラインやレジスタンスラインと見立てて、価格がHLバンドに近づいたら反転を想定した売買をする、価格がHLバンドを明確にブレイクしたらトレンド発生を想定した売買をする、といったことも可能です。

(チャート出所:FXCMジャパン証券株式会社 Trading Station)

 

 

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(ライター:104m)