2015年05月11日
■マルチタイムフレーム
●マルチタイムフレーム分析について
マルチタイムフレーム(複数時間枠)分析とは、5分足と1時間足など、複数の時間軸のチャートを見てトレードの判断を行うことを言います。
「木を見て森を見ず」という言葉もあるように、トレードにおいても、大局を把握せずに目の前の値動きだけを見ていては相場に翻弄されてしまいます。
以下の図のように、5分足のチャートだけを見ているとアップトレンドに見えますが、1時間足のチャートで見てみると、5分足のチャートで見ていた期間はダウントレンドの戻り局面であることがわかります。このため5分足のチャートでは、今後、1時間足のトレンドが継続すると考えるなら売りのチャンスを探す、反転すると考えるなら買いのチャンスを探すというように、上位の時間足のトレンド状況に合わせた戦略を立てることができます。
このようにマルチタイムフレーム分析では、トレードに使う足の上位の時間軸のチャートを確認することにより、相場の大局を把握してトレード戦略を立てるのに役立てます。
●マルチタイムフレーム分析の見方
ここではマルチタイムフレーム分析の見方を紹介します。
①上位の時間軸でエントリー方向を決める
上位の時間軸(例:1時間足)のトレンドが継続しそうな場合、上位時間軸のトレンドと同じ方向で、下位の時間軸(例:5分足)の売買ポイントを探します。こうすることで、大局的なトレンドが継続した場合に利益に繋がります。
逆に、上位の時間軸でトレンド転換の可能性がある場合は、下位の時間軸でトレンドと逆方向の売買ポイントを探します。こうすることで、長期の時間軸が反転するよりも早い段階でトレンド転換に乗ることができます。
②上位の時間軸のチャートポイントを下位の時間軸に表示させる
上位の時間軸のサポートラインやレジスタンスラインなど、チャートポイントは下位の時間軸でも有効です。5分足などを見ている場合でも、1時間足や日足で引いたラインを5分足に表示させることにより、大局的なチャートポイントを意識したトレードをすることができます。
なお、1時間足よりも日足、日足よりも週足など、より上位の足のチャートポイントの方が重要になります。
●マルチタイムフレーム分析を利用したトレード
ここまでマルチタイムフレーム分析の見方を紹介してきましたが、ここでは実践的な使い方の紹介を行います。
①上位時間軸のトレンド方向へのトレード
上位時間軸にトレンドが発生している時、下位時間軸でトレンド方向への売買ポイントを決めます。
以下の例では、1時間足でダウントレンドを確認し、5分足で売りのチャンスを探します。そして、1時間足のレジスタンスライン近辺で、5分足のサポートラインを割れた後の戻りで売っています。
②上位時間軸のトレンドが転換することを期待したトレード
上位時間軸にトレンド転換の兆しがある時、下位時間軸でそれまでのトレンドと逆方向への売買ポイントを決めます。
以下の例は、1時間足でレジスタンスラインをブレイクし、トレンド転換の可能性がある局面です。ここでは1時間足のレジスタンスライン上に価格がある時に、5分足のレジスタンスラインのブレイクを確認して買っています。
●マルチタイムフレーム分析を利用したトレードルールサンプル
続いて、マルチタイムフレーム分析を利用したトレードルールのサンプルを紹介します。
①上位時間軸のトレンド方向へトレードするルール例
チャート:上位時間軸、下位時間軸の2つのチャートを使用する
買い限定:上位時間軸がアップトレンドで、今後もトレンドが継続すると
予想される
売り限定:上位時間軸がダウントレンドで、今後もトレンドが継続すると
予想される
買い:下位時間軸で何らかの買いサインを確認したら買い
買いサインの反対サインでエグジット
売り:下位時間軸で何らかの売りサインを確認したら売り
売りサインの反対サインでエグジット
②上位時間軸のトレンド転換を狙うトレードのルール例
チャート:上位時間軸、下位時間軸の2つのチャートを使用する
買い限定:上位時間軸がダウントレンドから転換する兆しが確認できる
売り限定:上位時間軸がアップトレンドから転換する兆しが確認できる
買い:下位時間軸で何らかの買いサインを確認したら買い
買いサインの反対サインでエグジット
売り:下位時間軸で何らかの売りサインを確認したら売り
売りサインの反対サインでエグジット
(チャート出所:FXCMジャパン証券株式会社 Trading Station)