2015年02月16日

第4章 テクニカル分析実践 :ダウ理論

■ダウ理論

●ダウ理論について

ダウ理論(Dow Theory)とは、19世紀の経済学者チャールズ・H・ダウ氏が「ウォールストリート・ジャーナル」紙に掲載した「6つの基本法則」を元に発展した理論です。19世紀のアメリカの株式市場を対象に考えられた理論ですが、FXや商品市場などさまざまな市場で長年通用してきているため、テクニカル分析の元祖と言われています。「6つの基本法則」とは以下のようなものです。

 

①平均(指数)は全ての事象を織り込む

ファンダメンタルズや自然災害やテロなど、突発的な出来事も全て平均に織り込まれている

②トレンドには3種類ある

アップトレンドの定義 :高値、安値を切り上げる(安値①<安値③、かつ、高値②<高値④)

ダウントレンドの定義 :高値、安値を切り下げる(安値②>安値④、かつ、高値①>高値③)

 

グラフィックス1

 

さらに、トレンドはその期間により3種類に分けられる。

・主要トレンド(1年から数年)

・二次トレンド(3週間から3ヶ月) :主要トレンドの調整と考える

・小トレンド(3週間未満) :二次トレンドの調整と考える

③主要トレンドは3段階からなる

・先行期:価格は下落している、もしくは底値圏で上下している。悪材料はすべてマーケットに織り込まれたと考える先行型投資家が買い始める時期。

・追随期:価格は上昇局面。 トレンドフォロー型投資家が買い始める時期。

・利食い期:上昇局面の最終段階。新聞などでも”強気”と報道、一般投資家も参加し始める。

このとき、先行型投資家が利食いする。

④平均は相互に確認されなければならない

複数の平均(指数)があるとき、一つの平均だけでなく、複数の平均にシグナルが出てからトレンドが発生したと判断する。

⑤トレンドは出来高でも確認されなければならない

アップトレンド :出来高増=価格上昇、 出来高減=価格下落

ダウントレンド :出来高増=価格下落、 出来高減=価格上昇

⑥トレンドは明確な転換シグナルが発生するまでは継続する

現在のトレンドは、明確にトレンドの転換シグナルが現れるまで継続しようとする。

 

●ダウ理論の見方

ここではダウ理論をFXトレードに利用する場合の代表的な見方を紹介します。

①現在のトレンドを確認する

基本法則②のトレンドの定義により、現在の相場がアップトレンドなのかダウントレンドなのかを確認できます。

アップトレンドの定義 :高値、安値を切り上げる(安値①<安値③、かつ、高値②<高値④)

ダウントレンドの定義 :高値、安値を切り下げる(安値②>安値④、かつ、高値①>高値③)

これを現在の相場に当てはめてみるとよくわかります。

グラフィックス2

ダウ理論は高値、安値に注目していますが、高値とは、売りたい人が買いたい人より多くなった価格、安値とは、買いたい人が売りたい人より多くなった価格です。

高値を切り上げるとは、前回高値を形成した時よりも、より高い価格にならないと売りたい人が買いたい人より多くならない、つまり、より高い価格で買いたい人が多くなっていることを意味します。

安値を切り上げるとは、前回安値を形成した時よりも、より高い価格で買いたい人が多くなっていることを意味します。

すなわちアップトレンドとは、高値、安値の両方の観点で見て、前回より高い価格で買いたい人が多くなっていることを意味します。

また、高値を切り下げるとは、前回高値を形成した時よりも、より低い価格で売りたい人が多くなっていることを意味します。

安値を切り下げるとは、前回安値を形成した時よりも、より安い価格にならないと買いたい人が売りたい人より多くならない、つまりより低い価格で売りたい人が多くなっていることを意味します。

すなわちダウントレンドとは、高値、安値の両方の観点で見て、前回より安い価格で売りたい人が多くなっていることを意味します。

 

②トレンドの継続を確認する

基本法則⑥にあるように、ダウ理論では、トレンドは明確な転換シグナルが発生するまでは継続するとしています。つまり、

アップトレンドの定義 :高値、安値を切り上げる

ダウントレンドの定義 :高値、安値を切り下げる

が成立している限り、トレンドが継続していることになります。

以下はアップトレンドの例ですが、高値、安値を切り上げ続けていることがわかります。

グラフィックス3

③トレンドの転換シグナルを確認する

基本法則⑥にあるように、ダウ理論では、トレンドは明確な転換シグナルが発生するまでは継続するとしています。

アップトレンドからダウントレンドに変わるときの重要なシグナルは「安値切り下げ」です。これにより、アップトレンドが終了したことになります。ダウントレンドに転換したかどうかの判断は、「高値切り下げ」を確認した時点で確定します。以下の例では、「安値切り下げ」が確定した時点では高値④は高値②より切り上げており、ダウントレンドは確定していません。その後、高値⑥が出現し、高値④から切り下げ、「高値切り下げ」も確定し、「安値切り下げ」と「高値切り下げ」の両方が揃った時点でダウントレンドに転換したと判断します。逆に、ダウントレンドからアップトレンドに変わるときの重要なシグナルは「高値切り上げ」になります。さらに、「安値切り上げ」も確認できた時点でアップトレンドに転換したと判断します。

グラフィックス4

●ダウ理論の使い方

ここまでダウ理論の見方を紹介してきましたが、ここでは実践的な使い方を紹介します。

 

①トレンドの継続を期待した売買(売買サインとしてのダウ理論の活用)

トレンドは明確な転換シグナルが発生するまでは継続するので、トレンドの継続を確認できた時点で、これまでのトレンド方向への売買を行います。

これまでのトレンドがアップトレンドの時は「安値切り上げ」、もしくは、「高値切り上げ」を確認できた時点で買いエントリーします。 これまでのトレンドがダウントレンドの時は「高値切り下げ」、もしくは、「安値切り下げ」を確認できた時点で売りエントリーします。

グラフィックス5

②トレンドの転換を期待した売買(売買サインとしてのダウ理論の活用)

トレンドはいつか転換しますので、トレンドの転換を確認できた時点で、これまでのトレンドの反対方向への売買を行います。

これまでのトレンドがアップトレンドの時は「安値切り下げ」、もしくは「高値切り下げ」を確認できた時点で売りエントリーします。これまでのトレンドがダウントレンドの時は「高値切り上げ」、もしくは「安値切り上げ」を確認できた時点で買いエントリーします。

安値と高値の両方の条件が揃った時点でトレンドの転換が確定しますので、両方が揃った時点でエントリーするのが最も確実な方法になります。しかし、エントリータイミングが遅くなる欠点があるため、他のテクニカル指標などでトレンド転換の兆しを確認できている時は、安値、高値のどちらか一方の条件が成立した時点でエントリーすることもできます。

グラフィックス6

(チャート出所:FXCMジャパン証券株式会社 Trading Station)

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(ライター:104m)