2015年03月30日

第4章 テクニカル分析実践 :ボリンジャーバンド

■ボリンジャーバンド

●ボリンジャーバンドの構成(算出方法)や意味

ボリンジャーバンド(Bollinger bands)とは、移動平均線と標準偏差から価格反転の目安やトレンド状況を知ることができるテクニカル指標です。標準偏差と確率統計の考え方、理論で、個々のデータが平均値からどれくらいの分布の幅で散らばっているのか(離れているのか)を表しています。統計学上、平均値±標準偏差の範囲に68.27%のデータが入り、平均値±2標準偏差の範囲に95.45%のデータが入るとされており、分かりやすくいうと、あるデータの集団から平均値を求めた場合、その個々のデータの68.27%は平均値±標準偏差の中に分布していると考えられるということです。

ボリンジャーバンドは価格の標準偏差を算出し、移動平均線とともにチャートに重ねて描くことにより、一定期間の価格の分布具合をイメージしやすい形で把握できるようにしています。

図①

ボリンジャーバンドは「移動平均線」、「標準偏差ライン」の2つの要素で構成されています。まず、移動平均を計算(移動平均線の章を参照)し、同じ期間で標準偏差を計算します。

20日標準偏差は以下のように計算します。

図②

この標準偏差を日々計算し、チャートに描きますが、+1σラインは移動平均線に標準偏差を足したもの、-1σラインは移動平均線から標準偏差を引いたものです。+2σラインは移動平均線に標準偏差の2倍を足したもの、-2σラインは移動平均線から標準偏差の2倍を引いたものです。

図③

ボリンジャーバンド(20,1,2)

ボリンジャーバンドの±1σラインの内側に68.27%、±2σラインの内側に95.45%の確率で価格が入ると考えることができるのです。

●ボリンジャーバンドの見方

先ほど紹介したように、ボリンジャーバンドの±1σラインの内側に68.27%、±2σラインの内側に95.45%の確率で価格が入るという特徴を利用して、相場の状況を知ることができます。

①ボリンジャーバンド±1σ、±2σが横ばいで、バンドの幅が狭くなっており、価格が±2σの間を行ったり来たりしているときはレンジ相場

この状態を「スクイーズ」と呼びます。バンド幅が狭いということは、算出期間中のボラティリティ(価格の散らばり具合、価格変動の大きさ)が小さかったことを意味しています。

図④

ボリンジャーバンド(20,1,2)

②ボリンジャーバンド±1σ、±2σが斜めになり、バンドの幅が急拡大し、価格が±2σのどちらかと移動平均線の間で推移している時はトレンド相場、この状態を「エクスパンション」もしくは「バンドウォーク」と呼びます。どちらも同じ状況を指しますが、「エクスパンション」はバンドの拡大に注目し、「バンドウォーク」は価格がバンドに沿って動くことに注目しています。なお、バンド幅が拡大するということは、直近のボラティリティがそれまでよりも大きくなったことを意味しています。

図⑤

ボリンジャーバンド(20,1,2)

○ボリンジャーバンドの使い方

ここまでボリンジャーバンドの計算方法や見方の紹介をしてきましたが、ここでは実践的な使い方の紹介を行います。

①エントリーする方向を決める(環境認識としてのボリンジャーバンドの活用)

先ほど、ボリンジャーバンドにより相場の状況を判断できると紹介しましたが、それを利用して相場の状況に合わせたトレードができます。

「ボリンジャーバンドがスクイーズの時」

・-2σがほぼ横ばいで、価格が移動平均線と-2σの間にある時は買いのみ

エントリー

・+2σがほぼ横ばいで、価格が移動平均線と+2σの間にある時は売りのみ

エントリー

とすることにより、レンジ相場が続くことを想定したトレードができます。

図⑦

ボリンジャーバンド(20,1,2)

「ボリンジャーバンドがエクスパンションの時」

・+2σが拡大し、価格が移動平均線と+2σの間にある時は買いのみ

エントリー

・-2σが拡大し、価格が移動平均線と-2σの間にある時は売りのみ

エントリー

とすることにより、トレンドが続くことを想定したトレードができます。

図⑧

ボリンジャーバンド(20,1,2)

②具体的な売買ポイントを決める(売買サインとしてのボリンジャーバンドの活用)

これまでに紹介してきたように、ボリンジャーバンドを利用することによって、その時点の環境がレンジ相場かトレンド相場かを判断でき、また、±1σラインの内側に68.27%、±2σラインの内側に95.45%の確率で価格が入るという特徴を利用して、以下のように売買ポイントを決めることができます。

「レンジ相場での売買」

・スクイーズの時、安値が-2σにタッチして、終値が-2σ~-1σの間に

なったら買い

・スクイーズの時、高値が+2σにタッチして、終値が+2σ~+1σの間に

なったら売り

ボリンジャーバンドがスクイーズの時に安値が-2σにタッチし、終値が-2σ~-1σの間になるということは、レンジ相場において、発生確率の低い水準まで売られた状態から戻って、さらに戻る余地があることを意味しますので、今後はレンジの反対方向に動く可能性が高いと判断して買っていきます。

逆に、ボリンジャーバンドがスクイーズの時に高値が+2σにタッチし、終値が+2σ~+1σの間になるということは、レンジ相場において、発生確率の低い水準まで買われた状態から戻って、さらに戻る余地があることを意味しますので、今後はレンジの反対方向に動く可能性が高いと判断して売っていきます。

 図⑨

ボリンジャーバンド(20,1,2)

「トレンド発生中の売買」

・エクスパンションの時、終値が+1σを一度下回り、その後+1σを

上回ったら買い

・エクスパンションの時、終値が-1σを一度上回り、その後-1σを

下回ったら売り

ボリンジャーバンドがエクスパンションの時に終値が+1σを一度下回り、その後上回るということは、トレンドが発生している状態で押し目をつけて、再度トレンド方向に価格が動き出したことを意味しますので、今後もアップトレンドが継続する可能性が高いと判断して買っていきます。

逆に、ボリンジャーバンドがエクスパンションの時に終値が-1σを一度上回り、その後下回るということは、トレンドが発生している状態で一旦戻り、再度トレンド方向に価格が動き出したことを意味しますので、今後もダウントレンドが継続する可能性が高いと判断して売っていきます。

  図⑩

ボリンジャーバンド(20,1,2)

「エクスパンションでエントリーした場合の決済方法」

・アップトレンドのエクスパンションで買いエントリーした時、

-2σが反転したら決済

・ダウントレンドのエクスパンションで売りエントリーした時、

+2σが反転したら決済

 エクスパンションの時に価格と反対側の±2σが反転するということは、トレンド発生にともなうボラティリティの拡大が弱まったことを意味しますので、今後相場が反転するかレンジ相場になると判断して決済します。

図⑪

ボリンジャーバンド(20,1,2)

○ボリンジャーバンドを利用したトレードルールサンプル

ここではボリンジャーバンドを利用したトレードルールのサンプルを紹介します。

ルールは基本的に、現在動いている足の1本前を基準に判断していきます。これは、現在動いている足は終値が確定しておらず、ボリンジャーバンドも変動を続けており、サインとして採用するには不十分だからです。

①レンジ相場が続くことを想定した逆張りルール例

スクイーズ:ボリンジャーバンド±1σ、±2σが横ばいで、バンドの幅が狭くなっており、

価格が±2σの間を行ったり来たりしている

買い:1本前の安値<1本前の-2σ、かつ、1本前の-1σ>終値>-2σの時、

買いエントリー

   1本前の終値>1本前の+1σのときエグジット

売り:1本前の高値>1本前の+2σ、かつ、1本前の+1σ<終値<+2σの時、

売りエントリー

   1本前の終値<1本前の-1σの時、エグジット

図⑫

ボリンジャーバンド(20,1,2)

②レンジ相場からのトレンド発生をとらえる順張りルール例

スクイーズ:ボリンジャーバンド±1σ、±2σが横ばいで、バンドの幅が狭くなっており、

価格が±2σの間を行ったり来たりしている

買い:1本前の終値>1本前の+2σの時、買いエントリー

   2本前の-2σ<1本前の-2σの時、エグジット

売り:1本前の終値<1本前の-2σの時、売りエントリー

   2本前の+2σ>1本前の+2σの時、エグジット

 図⑬

ボリンジャーバンド(20,1,2)

③トレンド発生中の押し目をとらえる順張りルール例

エクスパンション:ボリンジャーバンド±1σ、±2σが斜めになり、バンドの幅が急拡大し、価格が±2σのどちらかと移動平均線の間で推移している

買い:2本前の終値<2本前の+1σ、かつ、1本前の終値>1本前の+1σの時、買いエントリー

   1本前の終値<1本前の+1σの時、エグジット

売り:2本前の終値>2本前の-1σ、かつ、1本前の終値<1本前の-1σの時、売りエントリー

   1本前の終値>1本前の-1σの時、エグジット

 図⑭

ボリンジャーバンド(20,1,2)

 

(チャート出所:FXCMジャパン証券株式会社 Trading Station)

 

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(ライター:104m)