2015年04月06日

第4章 テクニカル分析実践 :ADX(トレンドの状態を判断)、+DI/-DI

■ADX(トレンドの状態を判断)、+DI/-DI

●DMIの構成(算出方法)や意味

DMI(Directional Movement Index:方向性指数)とは、前日の高値や安値を更新した値幅に注目することにより、相場の方向性や勢いを知ることが出来るテクニカル指標です。

相場の特性として、アップトレンドでは前日の高値を当日の高値が更新することが多く、ダウントレンドでは前日の安値を当日の安値が更新することが多いです。

DMIは、前日の高値や安値を更新した値幅を指数化することにより、今の相場の状況を客観的に判断できるようにしています。

図①

DMIでは「+DI」、「-DI」、「ADX」の3つがチャート上に表示されますが、これらを計算するために、まず、「+DM (Directional Movement:方向性」」、「-DM」を算出します。

     +DM(前日の高値を更新した値幅)  =当日の高値 -前日の高値

     -DM(前日の安値を更新した値幅)  =前日の安値 -当日の安値

具体的には以下のように分けられます。なお、下図の黒棒は高値と安値を結んだ線です。

図②

「+DM」と「-DM」の両方が存在するケースでは、値が大きい方のみ採用され、小さい方は0になります。

「+DM」と「-DM」の値が同じ場合は、両方とも0になります。

「+DM」は上昇の勢い、「-DM」は下落の勢いの目安として算出し、その後の「+DI」、「-DI」、「ADX」の計算に繋がっていきますので、DMIというテクニカルの根本をなすものと言えます。

次に、「+DI(Direction Indicator:方向性指標)」、「-DI」を計算します。

「DI」は、一定期間の「DM」の合計をTR(True Range:真の値幅)で割ることにより、上昇、下落の勢いを、真の値幅に対する割合として表しています。これにより、異なる銘柄間での比較が可能になります。 TR(真の値幅)の詳細はATRの章を参照してください。

「+DI」は上昇の勢いの指標、「-DI」は下落の勢いの指標として使われます。つまり、「+DI」が高ければ上昇の勢いが強く、「-DI」が高ければ下落の勢いが強いことを意味します。

 図③

図④

DMI(14) 

次に、「DX(Directional Movement Index:方向性指数)」を計算します。

「DX」は、正味の方向性である「+DI」と「-DI」の差の絶対値を、上か下かどちらかに方向性があった比率である「+DI」と「-DI」の合計で割って算出します。この「DX」の移動平均をとることにより、「ADX(Average Directional Movement Index)」が計算されます。

トレンドが発生し、上か下のどちらかに方向性がでると、「+DI」と「-DI」の差が大きくなるので「ADX」は上昇します。 また、トレンドが反転するか、方向感がなくなりレンジ相場になると、「+DI」、「-DI」の差が小さくなるので「ADX」は下落します。つまり、「ADX」が高いと上下どちらかにトレンドが発生しており、「ADX」が低いと方向感がない状態を表しています。図1図2

 ADX(14)

●DMIの見方

前記で紹介したように、「+DI」は上昇の勢いの指標、「-DI」は下落の勢いの指標という特徴を利用して、相場の方向性を知ることができます。

・+DI>-DIの時はアップトレンド

・+DI<-DIの時はダウントレンド

図⑥
DMI(14)
 

また、「ADX」が高いと上下どちらかにトレンドが発生しており、「ADX」が低いと方向感がないレンジ相場であるという特徴を利用して、相場の状況を知ることができます。

・ADXがトレンド水準未満(例:20)の時はレンジ相場

・ADXがトレンド水準以上(例:20)の時は上下どちらかにトレンドが発生している

・ADXが過熱水準以上(例:50)の時はトレンドの最終局面

・ADXが過熱水準(例:50)を超えた後、下回った時は相場反転か、レンジ相場に移行する

図⑦

ADX(14)

 ADXが上昇している時は一方向に相場が動いている、下落している時は相場反転か、レジ相場に移行するという特徴からも相場の状況を知ることができます。

・ADXが上向きの時は上下どちらかにトレンドが発生している

・ADXが下向きの時は相場反転か、レンジ相場に移行する

図⑧

ADX(14)

●DMIの使い方

ここまでDMIの計算方法や見方の紹介をしてきましたが、ここでは実践的な使い方を紹介します。

①エントリーする方向を決める

先ほど、DMIにより相場の方向性を知ることができると紹介しましたが、それを利用して、

・+DI>-DIの時は、買いのみエントリー

・+DI<-DIの時は、売りのみエントリー

とすることにより、大局的なトレンドと同じ方向のポジションを持つことができ、利益を上げる確率を高くすることができます。

図⑨

 DMI(14) 

②相場状況を判断し戦略を決める

 前記にて、ADXの水準や向きによりトレンド状況を判断できると紹介しましたが、それを利用して、

・ADXがトレンド水準未満(例:20)で下向きの時はレンジ相場を想定した逆張りトレードを行う

・ADXがトレンド水準以上(例:20)で上向きの時はトレンド発生を想定した順張りトレードを行う

・ADXが過熱水準以上(例:50)の時はトレンド最終局面なので決済を考える

・ADXが過熱水準(例:50)を超えた後、下回った時は、相場反転かレンジ相場になるかわからないので、新規のトレードは行わない

このようにADXの水準や向きに応じて戦略を変えると、相場状況に合わせたトレードができます。

②相場状況を判断し戦略を決める

 前記にて、ADXの水準や向きによりトレンド状況を判断できると紹介しましたが、それを利用して、

・ADXがトレンド水準未満(例:20)で下向きの時はレンジ相場を想定した逆張りトレードを行う

・ADXがトレンド水準以上(例:20)で上向きの時はトレンド発生を想定した順張りトレードを行う

・ADXが過熱水準以上(例:50)の時はトレンド最終局面なので決済を考える

・ADXが過熱水準(例:50)を超えた後、下回った時は、相場反転かレンジ相場になるかわからないので、新規のトレードは行わない

このようにADXの水準や向きに応じて戦略を変えると、相場状況に合わせたトレードができます。

図⑩

 ADX(14)

③具体的な売買ポイントを決める

これまでに紹介してきたように、

・+DI>-DIの時はアップトレンド

・+DI<-DIの時はダウントレンド

という特徴を利用して、以下のように売買ポイントを決めることができます。

・+DIが-DIを下から上に抜けたら買い

・+DIが-DIを上から下に抜けたら売り

+DIが-DIを下から上に抜けるということは、ダウントレンドからアップトレンドに転換したことを意味していますので、相場が売り有利から買い有利に転換したと判断して買っていきます。

逆に、+DIが-DIを上から下に抜けるということは、アップトレンドからダウントレンドに転換したことを意味していますので、相場が買い有利から売り有利に転換したと判断して売っていきます。

図⑪

DMI(14) 

また、

・ADXがトレンド水準以上(例:20)の時は上下どちらかにトレンドが発生している

・ADXが上向きの時は上下どちらかにトレンドが発生している

・ADXが過熱水準以上(例:50)の時はトレンドの最終局面

・ADXが下向きの時は相場反転かレンジ相場に移行する

という特徴を利用して、以下のように売買ポイントを決めることができます。ただ、買いか売りかの方向は決められないので、他の指標(+DI、-DI等)で決める必要があります。

・ADXがトレンド水準(例:20)を下から上に抜けて、かつ、上向きの時にエントリー

・ADXが過熱水準以上(例:50)で、上向きから下向きになったらエグジット

ADXがトレンド水準を下から上に抜けて、かつ、上向き、ということは、トレンドが発生したことを意味していますので、トレンドが継続する可能性があると判断してエントリーします。

ADXが過熱水準以上で上向きから下向きになったということは、トレンドの最終局面で相場が反転もしくはレンジ相場に移行する可能性を示唆したことを意味していますので、トレンドが終了する可能性があると判断して決済します。

図⑫

ADX(14)

●DMIを利用したトレードルールサンプル

ここではDMIを利用したトレードルールのサンプルを紹介します。

ルールは基本的に、現在動いている足の1本前を基準に判断していきます。これは、現在動いている足は終値が確定していないため、各指標が変動を続けており、サインとして採用するには不十分だからです。

①+DIと-DIのクロスを売買ポイントとしたルール例

買い:2本前の+DI≦-DIで、かつ、1本前の+DI>-DIのとき買いエントリー

   2本前の+DI≧-DIで、かつ、1本前の+DI<-DIのときエグジット

売り:2本前の+DI≧-DIで、かつ、1本前の+DI<-DIのとき売りエントリー

   2本前の+DI≦-DIで、かつ、1本前の+DI>-DIのときエグジット

図⑬

DMI(14) 

②+DIと-DIの関係でエントリー方向を限定したルール例

買い限定:1本前の+DI>-DIのとき、買いのみエントリー

売り限定:1本前の+DI<-DIのとき、売りのみエントリー

図⑭

DMI(14) 

④+DIと-DIの関係でエントリー方向を限定し、ADXの水準と向きを売買ポイントとしたルール例

買い限定:1本前の+DI>-DIのとき、買いのみエントリー

売り限定:1本前の+DI<-DIのとき、売りのみエントリー

買い:2本前のADX≦20で、かつ、1本前のADX>20、かつ、

2本前のADX<1本前のADXのとき買いエントリー

   2本前のADX>50で、2本前のADX>1本前のADXのときエグジット

売り:2本前のADX≦20で、かつ、1本前のADX>20、かつ、

2本前のADX<1本前のADXのとき売りエントリー

   2本前のADX>50で、2本前のADX>1本前のADXのときエグジット

図⑮

ADX(14) 

(チャート出所:FXCMジャパン証券株式会社 Trading Station)

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(ライター:104m)