2015年07月13日

第5章 資金管理を身につける 全ての投資の土台は資金管理にある:あなたに最適なトレードサイズ

■あなたに最適なトレードサイズ

これまで紹介したように、損切りポイントを設定するためには2つの大切なポイントがありました。その2番目のポイントは、損切りを行った際に残りの資金が安全に保たれている、というものでした。これを確実に行っていくためには、もう1つ決定しなければならないものがあります。それが、トレードにおける売買サイズです。売買サイズとは、トレードを行う通貨数のことであり、これを明確に適切に決めることができなければ、損失管理は不可能なのです。

 

例を挙げて考えてみましょう。先ほどと同じく資金100万円で投資に臨み、米ドル/円を79円で買い、78円で損切りを行ったとします。売買サイズは1万通貨と仮定しましたが、これが30万通貨であった場合にはどうなるでしょうか?

 

損失=(売り値-買い値)×通貨数=(78-79)×300,000=-30万円

 

これは資金に対して30%を失ったことを意味し、甚大な影響が出る水準と考えられます。このことを考えると分かる通り、売買サイズをコントロールすることなく損失管理を行うことは不可能なのです。だからこそ、あなたはこれから、自分の投資資金や投資スタイルに最適な売買サイズを知って、実際のトレードを行っていく必要があります。

 

この適切な売買サイズというものには、単純でしかも強力な考え方があります。まず、すでに紹介した損切りポイント1に従って、自分のトレードに合わせた損切り価格を決定します。すると、この時点であなたは、これから行うトレードのおおよそのエントリー価格も把握することができると思いますので、自分のトレードの買い値と売り値を把握することができます(利食いのエグジットの価格は不明ですが、今は損切り管理を考えているので、そのことは気にしていただかなくて結構です)。

 

売買において、その売り値と買い値が判明すれば、あとは通貨数さえ分かれば損失が分かります。一旦仮の通貨数(例えば1万通貨)を設定し、損失を計算してみるのです。

 

例えば、豪ドル/円をこれから81.5円で購入し、その時の損切りポイントを78円と決めていたとします。

 

損失=(売り値-買い値)×通貨数=(78-81.5)×10,000=-35,000円

 

この時、仮に1万通貨で売買を行うと3万5千円を失ってしまうことが分かります。もしあなたが資金100万円で投資を行っているとすれば、3万5千円という損失は3.5%に当たりますので、先に紹介した1%という数字の3.5倍になってしまい、これではダメだと考えるでしょう。この場合、どのように対処したら良いのでしょうか。

 

これからエントリーを行う買い注文の価格は容易に変えることはできません。また、損切りポイントの価格も優位性が破綻するポイントから決めていますので、こちらも変えることはできません。つまり、上記の考えの中で変更可能な要素は通貨数しかないのです。仮の通貨数として1万通貨での売買を想定したため損失が大きくなってしまったのですから、通貨数を小さくすることを考えてみます。

 

あなた自身は損失を1%に限定したいと考えていて、仮に1万通貨での売買を想定したら、損失が3.5%(3.5倍)になってしまいました。つまり1万通貨の売買サイズを1/3.5以下に変更すればいいことになります。1万通貨の1/3.5は約2,857通貨ですので、この時のあなたの最適な通貨数は2,000通貨ということになります(3,000通貨にしてしまうと、損失が10,500円になってしまいます)。これで、この例におけるあなたの最適な売買サイズを2,000通貨と決めることができました。

 

ここでは買いトレードを例に挙げましたが、売りトレードの際の考え方も全く同様です。売りトレードの際の損切り価格は、想像していただくと分かりますが、エントリー価格である売り値よりも高い値位置に存在します。前に記載した計算式にそのまま当てはめていただくと、同じ手順で損失を計算し、売買サイズを決めることができますので、1度試してみてください。

 

最適な売買サイズとは、このように根拠をもって算出するものであり、また全てのトレードは、このようにして決定された明確な最適サイズで行われていくものです。しかし、売買サイズのことを考える個人投資家は皆無といっても過言ではありませんし、またそのことを紹介している情報も同様に少ないのです。

 

ここまで読んだあなたは、何だか面倒だなと感じたかもしれません。しかし、慣れてしまえば、そんなに面倒な手順ではありませんし、また例え面倒であったとしても、これはあなたの投資資金を守るために、必ず必要な手順、考え方なのです。無視することは大変危険ですので、必ず実践してください。私も投資を始めて2年くらい経った頃、この考え方に出会ってからは、一貫して売買サイズを事前に自分で決めてからトレードを行ってきました。損失を管理する上で、直接的に関わってくる要因が売買サイズです。あなたにとって最適な売買サイズを決めて、トレードを行っていくようにしましょう。

 

資金管理の章の最後にあたり、もう1度書いておきます。「資金管理」とは、あなた自身が自分の資金や損失、売買サイズなどを自ら管理・コントロールすることです。ここまで「1回のトレードの損失を1%以内に抑える」とか、「優位性が破綻するところが損切りポイント」と紹介してきましたが、これもあくまでも松下誠が紹介した損失率や損切りポイントに過ぎません。そのことを真の意味で理解し、あなた自身が理解、納得し、決定する損失率や損切りポイントを決めることが本当の資金管理です。そのことを忘れることなく、あなた自身の資金管理を続けてください。

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(ライター:104m)