2015年12月15日

歴史と市場 第1回 「リーマン・ショック」 2008年9月15日

歴史と市場

 

「歴史は繰り返す」というのは、ローマの歴史家クルチュウス・ルーフスの言葉であり、「賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ」というのは、ドイツの宰相ビスマルクの言葉です。

 

金融市場においても例外ではなく、価格の動きは市場の歴史を作り、それは繰り返されます。また世界の歴史において、重要な出来事が起こった時に、市場は一定の反応を見せます。世界の歴史上の出来事と、その時期の市場の反応を振り返ることにより、投資家は大きな力を得ることができます。このコーナーでは、世界の歴史上の出来事と市場の関係について振り返って、考察を加えていきます。

 

 

 

歴史と市場 第1回 「リーマン・ショック」 2008年9月15日

 

2008年9月15日に米国の投資銀行であるリーマンブラザーズが破綻、そのことに端を発して、「100年に1度の金融危機」と呼ばれる金融不安が世界を襲った。この前年2007年に発生したサブプライムローン問題により、巨額の損失を抱え、同日に連邦裁判所に連邦倒産法第11条の適用を申請、その負債総額は約6000億ドル(約64兆円)という史上最大の倒産となり、このニュースが世界中を駆け巡り、金融市場の不安、金融収縮を引き起こしました。

 

同日のNYダウ平均株価は504ドルの大幅下落。その後も11月21日まで下落が続きます。一旦2009年1月まで底値圏で推移するものの、再び2009年2月に2008年11月の最安値を切り下げ、3月6日に安値6,627ドルをつけるまで下落を続けます。リーマンブラザーズの破綻前日の2008年9月12日終値11,422から2009年3月6日安値6,627ドルまでの下落幅は4,795ドルに達し、実に2008年9月12日の終値の42%の暴落となりました。

 

その前年2007年にサブプライム問題が起こる前のNYダウ平均株価の最高値は、2007年10月の14,198ドル。ここから2009年3月安値6,627ドルまでは、1年5カ月で7,571ドルの下落、こちらは53.3%の下落となり、株式資産が半分以下になった壮絶な様子が分かります。

 

同じ時間帯の日経平均株価は、2008年9月16日に605円の大幅下落、その後、同年10月28日の安値6,995円まで、9月12日終値12,215円に対して42.7%の暴落を見せました。確か、10月28日の取引時間中に、パニックに陥った225先物市場において、一瞬でしたが5,000円台という信じられない板が表示され、一瞬背筋が凍りついたような記憶があります。これまでの市場の経験の中で、最も恐怖を感じた瞬間でした。日経平均株価の2007年7月最高値18,300円から2009年10月28日の最安値6,995円までは2年3か月間で11,305円、61.7%の大暴落を見せ、2007年7月の株式資産が4割以下に減少した、驚くべき下落だったのです。

 

米国FRBは2008年11月にいち早く量的緩和第1弾(QE1)により、金融危機の原因であったサブプライムローンの処理としてMBS(住宅担保証券)と米国債を購入し、非伝統的金融緩和に踏み切り、その後、QE2(2010年11月開始)、QE3(2012年9月開始)と順次金融緩和を行い、それが奏功し、2009年3月安値から米国株式市場は劇的な上昇を見せています。

 

2008年に起こったリーマン・ショックおよびそれに続く「100年に1度の金融危機」は、市場参加者にとって市場の崩壊を連想させるだけのインパクトの大きな出来事でしたが、その危機を超えれば、市場は不安から安定へ変わり、再び金融市場は膨張を続けています。投資家にとっては、100年分の経験ともいえる貴重な出来事だったと思います。次に、再び「100年に1度の金融危機」が訪れた時に、単に前回を模倣するのではなく、前回の市場の動きの教訓を活かしたいものです。

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(ライター:104m)