2015年09月11日

個人投資家の診療所 vol13 長い足のトレンド方向のみにエントリーする

Woman doctor that examination

本コーナーでは、独学で奮闘を続ける個人投資家と実際にお話をするなかで、その人の問題点を浮き彫りにし、解決策の提案や指導を行います。相談者が抱える問題は共通している部分が多く、多くの個人投資家の参考になるはずです。自分では気づけていない課題や解決策を、当クリニックの相談例を見ながら解消していただければと思います。
長い足のトレンド方向のみにエントリーする
今月の相談者:西原さん(仮名)、男性、FX投資歴3年
診断結果:トレンド認識欠落症、環境認識不全

 

 

トレンド方向にだけエントリーを行う

 

 

 

松下 現在、どのようなトレード・アイディアでトレードしているのか、教えてください。

 

西原 FX会社が配信している、価格帯別のポジションと注文情報を見て、価格の動きが反転するポイントを、事前に想定し、実際に反転が確認されたらエントリーしています。

 

松下 FXトレードで継続的に利益を上げていくためには、できるだけ再現性の高い手法と結果をつくり上げていく必要があります。そのためには、個々のトレードの根拠を明確にして、ルール化することが必要です。今、お聞きしたトレード手法は、感覚に頼る部分が大きいと思われますので、客観的な判断材料をもつようにしましょう。まず、エントリーの方向性は、何を根拠に決めていますか?

 

西原 とくに、方向性を決める材料はなく、単純にポジションと注文の状況を確認して、自分の思う値動きが現れればエントリーするようにしています。エントリーの精度を上げるために、30分や1時間といった長い時間軸の足を確認してみても、使い方がわからず、役に立っていません。

 

松下 価格の動きにはトレンドが存在しますので、1分足や5分足のトレードに臨むときは、30分足を使ってトレンドを識別し、トレンド方向にだけエントリーを行うようにしましょう。

トレンドとは、上下どちらかの方向に偏った値動きです。アップトレンドといえば、一定の時間帯のなかで、上昇の動きが下落の動きよりも長く大きいという性質をもっています。30分足でトレンドが確認できれば、トレードタイミングを計っている、1分足や5分足でトレードするだけの十分な値幅の偏りがありますので、より有利なトレンド方向にだけエントリーを行うことで、トレード回数を今よりも半減させ、精度=勝率を上げることができます。

 

西原 これまでは、短期の足と長期の足を確認した際に、必ず同じ方向に動くわけではないので、混乱するだけで、そのような発想には至りませんでした。

 

松下 価格の動きには、必ずしもトレンドが存在するわけではなく、トレンドのない保ち合いの状態もありますので、この場合には、トレードを見送るという判断もあります。トレードの勝率というのは、より厳密にトレード回数を絞り込んでいくことで上がります。

 

エントリーの根拠を明らかにする

 

松下 もう一点、現在、利食いターゲットの値幅を5~10pipsと設定していますが、この値幅で利益を上げようとすれば、20~30pipsという上下動が現れることが前提となります。そこに着目しなければいけません。つまり、エントリーのときに、自分が利益の値幅を抜けるだけの十分に大きい上下動が現れるという根拠が必要です。

テクニカル分析の基本的な考えのひとつに、「直前に発生した値動きと同規模の値動きが継続する」という理論がありますので、エントリーのときには、直前の値動きを確認することも必要です。

 

長い時間軸で値動きの方向を予測

 

西原 トレードの場面で、短期の足が下落していて、長期の足が上昇している場合のように、異なる時間軸の値動きが一致しないときには、どのように判断すると良いのですか?

 

松下 基本的には、長い足のトレンドが強いと考えますので、この例で考えると、いずれ短期の足が長期の足のトレンド方向に上昇を始めるのではないかと考えます。そして、このポイントこそが、西原さんのターゲットになるポイントです。

 

西原 エントリーの方向性を考えるときに、価格の動く方向は予測できるものなのでしょうか?

 

松下 それを想定するためのひとつの材料が、より長い時間軸におけるトレンドの有無および方向性ということになります。長い時間軸でトレンドが発生していれば、短い時間軸の足では、長い時間軸のトレンド方向が有利だと考えて、値動きの方向を予測するのです。

 

トレンドは徐々に加速する

 

西原 同一方向の値動きの幅の予測に関しては、いかがでしょうか?

 

松下 値幅の予測に関しては、先ほども解説したように、ひとつには過去の値幅を参考にします。テクニカル分析のひとつの考え方は、前と同じ規模の値動きが繰り返されるというものです。もうひとつ参考になるのは、トレンドが徐々に加速するという傾向をもっているという点です。価格の加速とは、一定時間当たりに動く値幅がより大きくなるという意味です。トレンドの加速が確認されれば、直前の値動きの値幅よりも大きい値幅の変動が起こる可能性が考えられます。

 

西原 価格の方向性に関しても、値幅に関しても、より長い時間軸の足を確認することで、十分な情報を得ることができるのですね。

 

松下 ほとんどの個人投資家は、複数の時間軸のローソク足を使いこなせていません。長い時間軸の足のトレンドを必ず確認して、売買の方向性を考えるというのは、基本中の基本です。

 

西原 エントリータイミングを計っている1分足や5分足だけを確認するだけではダメだろうと思いながらも、では、何分・何時間の足が適切なのかというのがわからずに、混乱していました。

 

テクニカル分析理論やトレード手法には

確率的な裏づけがある

 

松下 1分足や5分足を使ったトレードの際には、30分足を使って環境を確認すると良いと思います。

テクニカル分析やトレードには、各種の理論や手法がありますが、それらはいずれも確率的な裏づけのあるものです。確率を前提に成り立っていますので、同じことを理論通り50回、100回と連続してトレードしていくことで、利益の確率を上げるのだということを覚えておいてください。

 

西原 100%利益を上げられるわけはないとわかってはいるけれど、ついつい損切りに合うと辛いと思ってしまいます。トレードで勝っている人は、負け方が上手な人だと、よく耳にしてきました。自分はどうなのだろうと思っていましたが、トレード結果は、利益と損失がとんとんくらいなので、まだまだ負け方が下手なのだと思っていました。

それでも、どこを改善すればいいのかが漠然としすぎていて、自分ではわからなかったので、今回のトレード指導に応募しました。30分足を見るだけでトレードの全体像が変わり、エントリーの回数も減少するなど、お話できて、よかったです。

これまでのトレードは、まったくのギャンブルでした。今回のトレード指導を受けて、大きくトレードが変わりそうで楽しみです。早く自宅に戻って、新しいアイディアを試したいです。

 

松下 まずは、トレードルールを決めて、小さくトレードを行い、結果を確認するようにしましょう。おそらく、結果は大きく変わると思います。頑張ってください。

 

 

西原さんへの処方箋

1.30分足のトレンド認識からエントリー方向の決定

2.直近の値動きにおける値幅の確認

 

 

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(ライター:104m)