2015年09月14日

個人投資家の診療所 vol14 手本を決めることからトレードの成功はスタートする!

本コーナーでは、独学で奮闘を続ける個人投資家と実際にお話をするなかで、その人の問題点を浮き彫りにし、解決策の提案や指導を行います。相談者が抱える問題は共通している部分が多く、多くの個人投資家の参考になるはずです。自分では気づけていない課題や解決策を、当クリニックの相談例を見ながら解消していただければと思います。

 

手本を決めることからトレードの成功はスタートする!

 

 

今月の相談者:久瀬さん、 男性、FX投資歴1年(10年の検証経験あり)

診断結果:トレードターゲット欠落症、トレードセオリー欠乏症

 

 

本やサイトから手本となる先生を探し出す

 

松下 FXトレードの経験から教えてください。

 

久瀬 システムトレード(MT4)の検証を10年近く行ってきましたが、十分に納得できるパフォーマンスを期待できるものがつくれず、最近になって裁量トレードを始めました。

 

松下 MT4の検証を開始する際に、何から基礎的な情報や知識を学びましたか?

 

久瀬 システムエンジニアという職業上、プログラムの知識と経験がありましたので、ネットに存在する情報を見て、我流でトライ&エラーを繰り返してきました。

さまざまな手法やインジケータを試しましたが、まったくといっていいほど利益につながりませんでした。

 

松下 一般的に、投資初心者は、通貨市場や取引を学ぶ過程で、ネットや本から情報や知識を得ようとします。

そのとき、断片的な情報を取捨選択するだけではなんの上達にもなりません。その投資家自身の性格やライフスタイルを考えたうえで、自分が行いたいトレードスタイルで、すでに成功を収めている先人を探し、その人をお手本としてマネすることから始めるべきです。

 

久瀬 そのような考えはまったくありませんでした。

 

松下 私自身も、手本となる先生のマネをして利益を上げるようになりました。本を読んで、セミナーに参加して、先生が説明するトレードをマネしました。これは、実際のトレードのお手本であり、目標です。

手本がなければ、どんなふうに売買を行えばよいか具体的にわかりません。また、意図しない結果が出ても、どこが悪かったのか、どこを修正すれば良いかがわかりません。

まず、久瀬さんが行うことは、本やサイトから手本となる先生を探し出すことです。最初から一人に決めるのではなく、候補となる人を数名選び、本やサイトを何度も読み返しながら、最終的に一人に絞り込んでいきましょう。

 

久瀬 自分一人でやってきましたので、いつも迷ってばかりでした。

 

松下 初めて取り組むことですので、それは当たり前のことであり、全員が経験することです。

問題は、迷ったときに自分で答えを探すのではなく、先生の教えの通りに実践することです。今は先生になっている人も、最初は自分の先生のマネをして、技術を向上させてきたのです。

 

トレードの判断材料を短い時間軸の足から日足へ変える

 

久瀬 裁量トレードに切り替えてから、1分足や5分足でトレードを行いましたが、まったくついていけず、損してばかりしています。

最近、松下さんの動画を偶然見つけ、「日足でゆったりトレードを行う」というスタイルを提唱されていることに目からウロコが落ち、日足を使ったトレードに変えました。

日足でトレードを行うと、落ち着いてトレード判断を行うことができ、非常に楽になりました。

 

松下 1分足や5分足は、ローソク足1本が、ぞれぞれ1分、5分で完成しますので、価格が急激に速く動きます。それに対して、日足ではローソク足1本が一日をかけて形成しますので、非常にゆっくりした動きになります。

この速く動くローソク足と、ゆっくり動くローソク足とで、どのような違いがあるか、野球を例にとって説明しましょう。

バッターボックスで、150キロのボールを打つほうが楽か、100キロのボールを打つほうが楽かを想像してみるとわかります。

当然のことながら、100キロのボールを打つよりも、150キロのボールを打つほうがはるかに難しく、高度な技術や優れた動態視力が必要になります。

しかし、初心者の個人投資家は、なぜか1分足や5分足を使った短期トレードのほうが儲かると思っています。

これは錯覚に過ぎず、むしろ、先ほどの例を考えると、短い時間のなかで速く動いている価格に対して判断を下し、行動を行うことを思えば、より高度で難易度の高い売買を選択していることになります。

これが、多くの個人投資家が、短期トレードやデイトレードで失敗する理由です。

 

久瀬 本当にそう思います。短い時間軸でのトレードは、反応が遅くなったり、チェックが甘くなったり、価格を追い過ぎたりして、疲れました。

今は、日足でのトレードに変えて、非常に安定しています。

 

松下 トレードの判断材料を短い時間軸の足から日足へ変えたことは、非常に良い方向に向かっていると思います。

お手本となる先生を探すことは、これからの課題として、ここでは久瀬さんのトレード目標について確認してみたいと思います。

 

中長期トレンドフォローの注意点

 

松下 どのようなトレードを行いたいと考えていますか?

 

久瀬 底値圏で買いを入れて、トレンドが形成されれば、長く保有するようなトレードを行いたいです。

 

松下 そのスタイルは、トレンドフォローですね。とくに、長く保有したい気持ちをもっていますので、中長期的なトレンドフォローということになります。

中長期トレンドフォローの手法は、トレードの世界で昔からさまざまに実践されていますので、お手本となる先生も探しやすいです。

長期トレンドフォローといえば、米国のトレーダー集団「タートルズ」が有名です。タートルズを育てた生みの親は、リチャード・デニスです。タートルズブレイクアウトという長期トレンドフォロー手法を学ぶのも良いと思います。

中長期トレンドフォローの注意点がいくつかあります。

まず、トレンドはいつどこで発生するかわかりませんので、トレンド発生が想定される通貨には、適度に分散して、トレードを行う必要があります。

適切に市場の優位性をとらえたトレンドフォロー手法であれば、トライン&エラーを継続するなかで、効果的にトレンドに乗ることができます。

また、中長期トレンドの発生が、このトレード手法の一番の優位性ですので、利益を上げるためには時間が必要になります。

そのため、トレード手法のパフォーマンス評価を行うときにも、ある程度長期間の成績で評価することが必要です。

また、トレンド形成の途中や最後には、必ずドローダウンが存在することも理解する必要があります。

利益を上げるために時間を要し、その途中や最後にドローダウンが訪れることを考えれば、資金配分に十分な余裕をもつことも忘れないでください。

 

久瀬 自分ではまったく思いつかなかったことを教えていただけて、これから実行すべきことが具体的にわかりましたので、早速取りかかります。これからが楽しみになってきました。

松下 まずは、お手本を探して、しっかり学び、マネをすることから始めましょう。頑張ってください。

 

久瀬さんへの処方箋

1.お手本となる先生を探す
2.中長期トレンドフォロー手法を学ぶ

 

(FX攻略.com 2015年8月号掲載)

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(ライター:104m)