2015年09月21日

個人投資家の診療所 vol15 ターゲットを絞り込むことでトレード成績は上がる!

本コーナーでは、独学で奮闘を続ける個人投資家と実際にお話をするなかで、その人の問題点を浮き彫りにし、解決策の提案や指導を行います。相談者が抱える問題は共通している部分が多く、多くの個人投資家の参考になるはずです。自分では気づけていない課題や解決策を、当クリニックの相談例を見ながら解消していただければと思います。

 

ターゲットを絞り込むことでトレード成績が上がる!

 

今月の相談者:氏家さん(仮名)、40代男性。FX投資歴1年(※今月の相談者の氏家さんは、私が開催する、「まこと投資スクール」を卒業した個人投資家さんです)。

 

診断結果:トレンド不全 利益幅狭窄症

 

過去検証で気づいたこと

 

松下 氏家さんは、すでに「まこと投資スクール」を卒業され、ご自分のトレードルールの過去検証を開始しておられますので、その点からお聞きしていきたいと思います。過去検証を続けてきて、気づいた点はありましたか?

 

氏家 過去検証を進めるなかで、3点、気になる点がありました。それは、①マイナストレードを減少させて、勝率を上げたい、②元々の自分のトレードルールの優位性を再度確認したい、③利益幅を最大限に伸ばす工夫を検討したい、の3つです。

 

ADXフィルターで検証

 

氏家 ①の点につきましては、まず、エントリーをあまりにも不用意に行っていたという反省があります。トレンドが弱くなっている環境下でもエントリーを行っており、損失トレードが増えていることに気づきました。

 

それを考慮すると、トレンドが強い環境下でのみエントリーを行うように、環境認識のフィルターを追加すれば良いのではないかと思いました。

 

そう考えた後で、投資スクールのテキストを読み返すと、そこに答えが書いてありました。トレンドの強度は、ADXで測ることができますので、ADXのフィルターを追加して、検証を続けたいと思います。DXのフィルターに関しては、その値が20以上で、かつADXが上向きであるというものを考えています。

 

実際に、直近において検証を行った「ユーロ/米ドル」について、上記ADXフィルターを追加して検証を行うと、劇的に勝率がアップし、パフォーマンスも向上しました。ADXのフィルターの検証を終えたら、次は、RSIのフィルターも検討したいと思っています。

 

移動平均線のみで環境認識

 

氏家 ②の点につきましては、現在、環境認識にボリンジャーバンドを取り入れていますが、単純に移動平均線のみで環境認識を行ってはどうかという可能性も考えています。

いずれの指標を使っても、それほど大きくパフォーマンスが変わるとは思いませんが、その検証を行うことで、自分のトレードルールの優位性が、再確認できると思っています。

 

エントリーポジションを分割決済

 

氏家 ③の点につきましては、現在、利食いのルールを、損失幅の2分の1の値幅の利益で指値決済と設定していますが、エントリーポジションを分割決済して、一部利益幅を伸ばしてはどうかと考えています。

すべての可能性は、具体的に検証して、導入を検討したいと思います。

松下 今、氏家さんが検証した結果から、気づいた点を確認しましたが、このトレード指導前に、私が課題と感じた点と、ほとんど一致しています。

ADXの導入は理に適っている

 

松下 今回のもともとのトレードルールは、非常に珍しい着眼点でトレンドを定義しています。その着眼点で優位性の高い部分は、トレンド発生の強さだと考えられます。その意味で、トレンドの強さを示すADXの条件を追加することは、理に適っていると思います。ADXのフィルターを導入すれば、保ち合いのような値動きも、排除できます。

「トレーリングストップ」が有効

 

松下 私は、現在、氏家さんがターゲットとしている値動きを見ると、利食いのルールがもったいないと思います。これは、氏家さん自身が、課題の③として、ご自身で挙げた点とも一致しています。

 

具体的には、利益幅を拡大するような利食いルールの導入を検討する余地があると思います。この手法としては、値動きに連動してストップポイントを移動させる、「トレーリングストップ」が有効だと思います。おそらく、これまでの検証結果のなかで、一定の期間で連勝するところがあったのではないでしょうか。

 

氏家 確かに強いトレンド環境下で、何度も利食いを重ねる連勝の時間帯は、各通貨に存在します。しかも、そのトレードごとのエントリーの間隔が、ある程度離れてしまう傾向にあります。

 

 

利食いを伸ばす可能性を検討

 

松下 おそらく、一定のトレンドの立ち上がり、あるいは初期の段階でエントリーに成功したトレードは、利益幅を拡大することで、大きくパフォーマンスが改善するのではないかと思います。

 

さらに、トレンドの継続を効果的に定義して確認することができれば、同じ方向にエントリーを重ねるような、「買い増し」や「売り増し」の可能性も出てくると思います。現在の検証が終わった後で、利食いを伸ばすような可能性を検討してみましょう。

 

氏家 今現在の私のルールは、中期トレンドには強いのですが、より長期にトレンドが伸びた際には、十分に利益を伸ばせないようになっています。その点は、今後の課題として検討したいと思います。

 

複雑なルールにしないこと

 

氏家 もうひとつ気になることがあります。自分の弱いところだと認識していますが、不注意なミスをしてしまうことがあるので、あまり複雑なルールにしないように気をつけたいと思います。

 

松下 その通りですね。優位性を効果的にとらえることができれば、ルールに使う指標はできるだけ少ないほうが良いです。ミスを少なくするには、単純にトレードルールに採用する指標を少なくすることです。これまでに、検証は何通貨において行いましたか?

 

ルールのパフォーマンスを評価する

 

氏家 クロス円とドルドルストレートで6通貨の検証が終了しました。この後、20通貨くらいまで、検証を拡大して続けます。

 

松下 十分な検証を終えたら、その時点でルールのパフォーマンスを評価してみましょう。ADXのフィルターを追加することにより、トレード回数が減少すると思われますので、その点も注目してみましょう。

 

狙っているトレンドが、比較的特殊なトレンドですので、トレードチャンスは少なくなると想定されます。そのため、可能ななかで多くの通貨をトレード対象として、観察することが必要です。

 

氏家 現時点では20通貨くらい観察しており、それほど無理は感じていません。

 

「書く作業」の大切さを知る

 

氏家 この課題に取り組むうちに、「やみくもにエントリーしている」という問題に気づきました。検証結果を書き出したり、損失のトレードをチャート上で確認したりすることで、問題が明確になりました。その意味で、本当に「書く作業」というのが大切だということが身に染みて分かりました。今回の課題を行うことで、一段と成長できた気がします。

 

松下 ご自分で考案されたトレードルールの課題に自ら気づき、その改善点も具体的に見えていますので、焦ることなく検証を続け、さらに精度に磨きをかけて実際のトレードに移るようにしましょう。

 

氏家 すごく具体的な希望が見えてきたので、検証を頑張って進め、トレードルールの構築に励みます。

 

松下 頑張ってください。期待しています。

 

氏家さんへの処方箋

①ADXのフィルターを追加しての検証の拡大

②利益幅を伸ばすトレーリングストップルールの検討

 

(FX攻略.com 2015年9月号掲載)

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(ライター:104m)