2015年09月28日

個人投資家の診療所 vol16 明確な理由を持って売買すれば損失が減り始める

本コーナーでは、独学で奮闘を続ける個人投資家と実際にお話をするなかで、その人の問題点を浮き彫りにし、解決策の提案や指導を行います。相談者が抱える問題は共通している部分が多く、多くの個人投資家の参考になるはずです。自分では気づけていない課題や解決策を、当クリニックの相談例を見ながら解消していただければと思います。

 

 

 

明確な理由をもって売買すれば損失が減り始める

 

今月の相談者:江島さん(仮名)、40代男性、FX投資歴1年

診断結果:トレードルール欠損症/トレードターゲット不全症

 

 

まずはお手本探しを~そのためにはFXの書籍を読もう~

 

松下 FXを始められて半年くらいということですが、始めるにあたりどのように勉強されましたか?

 

江島 1カ月くらいの間ですが、図書館でFXに関連する本を借りたり、ネットで情報を検索したりしました。松下さんの本も読みました。他には、ネットの情報商材のなかで、無料の素材なども読んでみました。

 

松下 勉強を進めるなかで、「儲かりそう」といったような、成功のイメージは湧きましたか?

 

江島 まったくわからないというのが正直な気持ちでしたが、無茶をすれば危ないという気持ちはありました。

 

松下 それから半年ほど過ぎて、実際に売買を行ってこられ、すでに気づいている部分もあるかと思いますが、FXトレードは、何となくといった感覚で行うものではありません。明確にターゲットとなる値動きを決めて、狙って儲けにいく市場です。

 

それゆえ、投資家自身に儲かるイメージがないと、利益を上げにくいのです。今の江島さんは、ご自分の狙いが見えていないので、これから狙いを定めていきます。そして、その狙いを定めるためには、最初に「お手本」が必要です。

たとえば、松下誠を真似る、トレーダーAさんを真似る、投資家Bさんを真似るというふうに、具体的なお手本を決めてアプローチします。まずは、明確なお手本を決めていきましょう。

トレード探しよりも、お手本探しです。そして、お手本を探すためには、本を読みましょう。「これを実践すれば利益が出るな」と思わず期待できるような本に、何冊か出合いたいですね。

 

明確な理由のない売買を止める

 

松下 現在、トレードは一日のうちのどの時間帯で行っていますか?

 

江島 私は現在会社員ですので、仕事が終わってからの深夜とか、早朝の空いた時間でFXトレードを行っています。

 

松下 FXあるいは投資は、長い習慣になりますので、毎日の決まった時間、定時に作業を行うようにしましょう。また、会社員として昼間にお仕事をされていますので、日足を使った売買に変更することをお奨めします。

日足を使った売買は、一日に一回だけ価格チェックを行えば良く、仕事をされている方の負担も少なく、優位性も十分に確保できます。

 

江島 決まった時間にだけ売買を行おうとするのですが、チャートを見ていると、ついつい売買してしまい、気がつくと損失が重なっています。

 

松下 個人投資家の負けパターンは、「無駄な売買で負けていく」というものが多いです。何となく行っている売買を我慢することで損失が減ります。

これまでの経験で気づいたと思いますので、明確な理由のない売買を止めましょう。

 

江島 確かにそうだと思います。「休むも相場」という相場の格言がありますが、まったく休みなくトレードしています。

 

松下 これからは、理由をもって売買するようにしましょう。そうすれば、理由がないときには売買を行うことができません。その売買の理由を、利益を上げられる十分なものに変えていきます。

 

トレードの理由づけをする

 

松下 今回、事前課題としてお渡しした「トレードスタイル確認シート」の4~9番の項目が、トレードルールと呼ばれるトレードの理由になりますので、この部分の理由づけを行っていきましょう。

このトレードスタイル確認シートのなかに、「トレンドフォロー」という言葉が、何カ所か登場しますが、江島さんはトレンフォローとは何だと思いますか?

 

江島 「明らかにこれから一定期間同じ方向に続く値動きに乗っていく」というトレードだと思います。

 

松下 今の段階では、それが江島さんにとってのトレンドフォローです。今後、さらに、そのトレードイメージを利益が上がる明確なポイントに変更していきます。

 

トレンドフォローの取引は3種類

 

松下 トレンドフォローのトレードとは、トレンドと同じ方向に売買を行うトレードであり、戦略的には大きく3種類のトレードにわかれます。

その3種類のトレードとは、

①トレンドの発生を確認して、そのトレンドに乗るトレード。

②トレンドの発生が確認された後に、より小さい波(スイング)の調整を待って行うスイングトレード。

③②で現れたより小さい波(スイング)が、前回高値を切り上げるポイントで行うブレイクアウトトレードです。

これは、①→③の順に勝率が高くなり、③→①の順に利益幅が大きくなる傾向をもっています。江島さんは、この3種類のなかで、どのトレードを行いたいですか?

 

トレンドフォローのトレードの鉄則とは?

 

江島 上昇トレンドにおいて、安値切り上げを待って、安定的に利益を上げたいので、②のスイングトレードだと思います。

 

松下 まずは、②のスイングトレードをひとつのターゲット候補として、これから検討していきましょう。

このターゲットと自分自身の意図がピタリと一致すると、利益を上げるまでの時間はそれほど長くはかかりません。トレンドフォローのトレードの鉄則は、「トレンドが発生していること」です。

逆のいい方をすれば、トレンドがなければトレードをやらなければ良いでのです。

こうしてターゲットや方針が見えてくると、先ほど提案したお手本とする本を探しやすくなります。

 

ターゲットを決め、それを効果的にとらえる手法や理論を学ぶ

 

松下 今のFXを取り巻く情報環境は、歪みがあります。多くの情報は、利益が上げる手法や理論があって、それで儲かると思われていますが、これは順序が逆です。

江島さんが欲しい利益やターゲットがあって、それを実現できる手法や理論を探します。

 

江島 これまで本で読んだ手法として、25日・75日・200日の移動平均線を使ったトレンドフォローのトレードを行うようにしてきました。このトレードに優位性はあるでしょうか?

 

松下 短期・中期・長期の移動平均線を用いてトレンド認識を行い、トレードを行う手法は一般的な手法ですので、一定の優位性はあると思います。

しかしながら、今後、日足において売買を行うことを考えると、この3種類の移動平均線は、長く大きいトレンドをとらえようとするものですので、もう少し感度の鋭い移動平均線に変更することを検討すると良いと思います。

 

江島 本来なら、ひとつの手法だけを深く学べば良かったと思うのですが、いろいろな手法を少しずつつまみ食いするようなやり方を行っていました。

 

松下 それではいつまで経っても利益を上げることはできませんので、まずは、ターゲットを決めて、そのターゲットを効果的にとらえることのできる手法や理論を深く学ぶようにしましょう。

 

トレンドの発生している通貨ペアを選ぶ

 

江島 トレード対象の通貨ペアの選択は、どのように考えれば良いでしょうか?

 

松下 トレンドフォローというトレード戦略は、トレンドが発生している通貨をトレード対象としますので、トレード対象通貨を特定の通貨に固定しません。

環境認識というルールによって、トレンドの発生している通貨を、その都度、トレード対象通貨として選ぶようにしてください。

 

本を探すことから始める

 

松下 まずは、今日確認した江島さん自身のトレードイメージから、ご自分のお手本となる本を探すことから始めましょう。

その先に、利益を上げるトレードが待っています。

 

江島 無料でこんなお話をしていただいて、貴重な勉強になりました。焦らずに、じっくり本を探し、読みたいと思います。

 

 

江島さんへの処方箋

1.トレードターゲットとしてのスイングトレードの決定
2.1のターゲットをとらえる手法や理論の本を探して熟読

(FX攻略.com2015年10月号掲載)

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(ライター:104m)