2016年02月16日

投資家の診療所>vol19 メインルールを1つに絞り込む

松下誠のインベスターズクリニック(個人投資家の診療所)

本コーナーでは、独学で奮闘を続ける個人投資家と実際にお話をする中で、その人の問題点を浮き彫りにし、解決策の提案や指導を行います。相談者が抱える問題は共通している部分が多く、多くの個人投資家の参考になるはずです。自分では気づけていない課題や解決策を、当クリニックの相談例を見ながら解消していただければと思います。
 

見出し:「メインルールを1つに絞り込む」
今月の相談者: 40代 女性 FX投資歴4
診断結果:トレードターゲット欠損症 トレードルール不全

 

松下:FXの経験から教えてください。
 

熊本:4年前くらいからFXを始めました。途中、トレードを行っていない期間が2年くらいありました。少しでも損をすると怖くなってしまって、トレードができなくなってしまいました。ある通貨で大きな含み損を抱えたのが原因でした。トレードを再開するきっかけを探している時に、大阪で開催された松下さんのセミナーに参加して、1年くらい前からトレードを再開しました。

 

松下:大きな損失を経験することで、トレードに恐怖を感じてしまう人は大勢いらっしゃいます。その時は、無理をせずに時間をかけて恐怖を消していくことが大切です。トレード用にノートをつけていますが、どんな内容を書き留めていますか?

 

熊本:チャートパターンやテクニカル指標の様子、その時に自分が思ったことなどを書いています。後から見返してみると、一貫性がなくバラバラで嫌になってしまいます。

 

松下:記録をつけることは非常に良いことです。トレードで利益を上げていくためには、優位性、再現性、一貫性、継続性が必要です。毎日ノートをつけることで、継続性や再現性に気づき、優位性を見出すことができますので、目標を持って続けてください。

 

事前課題の提出の際に、「勝てる規則性を見出した」と書いていましたが、そのトレードの優位性は何でしょうか?

 

熊本:ボリンジャーバンドを使った転換点でのトレードです。

 

松下:ということは、これが今の段階での、熊本さんのトレードルールであり、そのルールの優位性ということになります。ルールを確認する際のコツは、頭の中だけで考えるのではなく、紙に書くということです。頭の中のルールを、紙に書くことで曖昧性が排除されて、より明確なルールに近づいていきますので、必ず紙に書くという作業を行ってください。

 

ルールを書くことができれば、過去検証を行うことができます。過去検証を行いましたか?

 

熊本:はい、1年分の過去検証を行い、優位性が確認できたと思います。

 

松下:気をつけなければならないことは、初心者の方が過去検証を行った際に、ルールの正確な検証になっていないケースが散見されるということです。つまり、トレードポイントを見落としていたり、ルールには書かれていないトレードポイントを拾っていたりすることが多いので、この点を注意しなければなりません。私が見た限りでは、今の時点では、まだ優位性が低いのではないかと思います。熊本さんが作ったトレードルールでは、エントリーのタイミングが早すぎると思います。環境認識にボリンジャーバンドを採用していますので、ボリンジャーバンドに優位性を見出しているのですね。

 

熊本:はい、ボリンジャーバンドはトレンド認識が非常に分かりやすいと思っています。

 

松下:例えば、今回考案した熊本さんのエントリールールですが、これは順張りだと思いますか、逆張りだと思いますか?

 

熊本:順張りだと思っています。

 

松下:今のエントリールールは逆張りです。つまり、今のルールは、ご自身のトレードイメージの、全く逆になっています。この点からも、もっとボリンジャーバンドに対する理解を深めた方が良いと思います。本を読むのがお好きなようにお見受けしますので、ジョン・A・ボリンジャー氏が執筆した「ボリンジャー・バンド入門」(パンローリング社)を買ってお読みになられると良いと思います。

これから10年、20年と利益を上げていくのであれば、教科書となる本が必要です。その意味では、ボリンジャーバンドが好きということであれば、間違いなく、「ボリンジャー・バンド入門」は熊本さんの生涯の教科書になります。

この書籍を読めば、ボリンジャーバンドそのものの使い方を深い理解できますので、ぜひ購入して、何度も読んでみてください。

もう1つトレードルールをお考えなのですね。

 

熊本:ストキャスティクス・ポップを使ったトレードルールです。ストップポイントの設定も、日柄の経過とともにトレーリングストップで確実な利食いを狙います。

 

松下:こちらのトレードルールも、明確になっていますので、先ほどのボリンジャーバンドのルールと同様に過去検証を行うことができます。まずは両方のルールの過去検証を、可能な限り正確に行ってみましょう。

 

熊本:分かりました。先ほどの松下さんの指摘を参考に、正確にトレードポイントを検証したいと思います。

 

松下:2つのルールの、それぞれ一定期間の検証結果を見れば、どちらのルールを最初に自分のものにしていくのか、どうやってパフォーマンスを上げるために修正していくのかが分かります。まずは、検証結果を見て、どちらのルールを採用するのかを決めて、その上で、ルールの修正について検討してください。

 

熊本:ルールの修正のためのアイディアというのは、すぐに思い浮かぶのでしょうか。

 

松下:初心者が自分の力だけで、ルールの修正を行いパフォーマンスの精度を上げていくのは難しいと思いますので、書籍などお手本となる教材を参考にするようにしてください。

 

熊本さんのトレードターゲットは、順張りですか、逆張りですか?

 

熊本:私のトレードターゲットは順張りだと思います。

 

松下:現段階では、ボリンジャーバンドのルールは逆張りで、ストキャスティクスのルールは順張りです。私がこれまでお話を聞いてきても、熊本さんには順張りが向いていると思います。「ボリンジャー・バンド入門」の他に、ストキャスティクスの専門書籍を探して熟読すると良いと思います。

 

ルールの修正を行う際には、色々な要素を一度に複数変えるのではなく、一つだけを変えて、検証を行うようにしましょう。複数の要素を変更して検証を行うと、パフォーマンスの変化が、どの要素の影響で変わったのかが分からなくなってしまいます。回り道のように思えるかもしれませんが、一つずつ確かめていきましょう。

 

熊本:私が不安に思っているのは、一つのテクニカル指標を根拠にトレードを行うということが、視野が狭くなることにつながるのではないかということです。

 

松下:過去検証を行った上でトレードを行えば、それは決して視野が狭くなることはありません。なぜなら過去検証を行う過程で、一定以上の長い期間の価格の動きを確認し、その中には様々な価格の動きが含まれてきます。

 

まずはルールを決めて、1つずつ検証を行いましょう。

熊本:今日の相談は、すごく面白いかったです。松下さんの指摘は具体的で、課題がたくさん出ましたので、希望が出てきたような気がします。

松下:1つずつ進めていけば、その分だけ利益に近づいていきますので、着実に進めてください。

福井さんへの処方箋

1.   「ボリンジャー・バンド入門」熟読によるボリンジャーバンドへの理解
2.   ストキャスティクス専門書籍の購入と熟読
3.   2つのトレードルールの過去検証
4.   メイントレードルールの決定

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(ライター:104m)