2015年10月26日

投資家の診療所vol17 テクニカル指標を使い方を深く理解する

本コーナーでは、独学で奮闘を続ける個人投資家と実際にお話をする中で、その人の問題点を浮き彫りにし、解決策の提案や指導を行います。相談者が抱える問題は共通している部分が多く、多くの個人投資家の参考になるはずです。自分では気づけていない課題や解決策を、当クリニックの相談例を見ながら解消していただければと思います。

 

「テクニカル指標の使い方を深く理解する!」

 

今月の相談者: 40代 女性 FX投資歴7年
診断結果:トレードターゲット欠損症 トレードルール不全

 

松下:投資の経験から教えてください。

 

福井:1999年に株式投資を始めて、2008年くらいからFXを始めました。今は、FXをメインに行っています。

 

松下:FXを始めるにあたり、何か書籍や教材等で勉強されましたか?

 

福井:マネー雑誌を読んだ程度で、集中的に学んだことはありません。

 

松下:事前課題として提出していただいたトレードスタイル確認シートを拝見すると、トレードルールが曖昧で、トレードの拠り所がない状態です。まずはFXトレードに対する理解や知識を広げていく必要があります。そのためには、教科書が必要であり、教科書となる本を決めると良いと思います。

 

せっかくの今回の指導のご縁ですので、私の一冊目の著書「一番売れてる投資の雑誌が作った低リスクでカンタンなFXトレード演習帳」をお勧めします。この本には、投資家のメンタルコントロールから、資金管理、各種のテクニカル指標まで、広く解説しており、トレードの全体を学んでいただくのに十分だと思いますので、読んでみてください。

 

FXトレードや市場に対する理解や知識を広げた上で、その後、徐々に個別のルールを決めていきます。

 

福井:トレードルールを書けないといけないということですね。

 

松下:最初から全てのトレードルールを自分で考えることは無理ですので、既に存在しているトレードルールをまねることから始めてください。

 

また、トレードスタイルについてですが、お仕事やライフスタイルに影響の少ない、日足を使った売買に切り替えていきましょう。

 

福井:エントリーの判断も、日足で行って良いのですか?

 

松下:日足で判断して良いです。1時間足やそれよりも短い時間軸の足を使った売買では、どうしても生活のリズムが乱されてしまいます。

 

トレード目標についてですが、いただいたトレード目標の値動きは、およそ3週間~1か月くらいの値動きですので、過去のチャートの中に、この規模の値動きを確認することで、このトレード目標を捉えるトレードルールを考えていきましょう。

 

これまでは、ほとんど目標もなくトレードしていたように見受けられます。

 

福井:トレードを行う時に、目標は持っていませんでした。

 

松下:成功している投資家/トレーダーは、狙いがはっきりさせて目標決めを行っています。まずは、しっかりトレード目標を決めましょう。

 

次に、個々のトレードの履歴に関してですが、これらのトレードは、どのような根拠でエントリーを行いましたか?

 

福井:以前にMACDRSIを使ったトレード手法を学んだ経験がありましたので、MACDのクロスとRSIの値を見て判断したと思います。

 

松下:判断基準をお持ちでしたら、まずそれを書き出してみましょう。それが、福井さんの現在のエントリーサインということになります。

 

また、このサインを使うのであれば、ダウントレンドにおける売りも当然行っていくことになりますが、売りトレードがないのはなぜでしょうか?

 

福井:私は、まだ売りを行ったことがありません。売りはどうしても苦手です。

 

松下:FXトレードを行っていく上で、売りを苦手にしては、どうしても不利な環境に遭遇します。テクニカル指標を使ったサインや、トレードルールには、買いや売りが苦手といった前提条件はありませんので、よく検討の上、売りに対する苦手意識を排除していきましょう。

 

福井:確かにその通りなので、ダウントレンドにおけるトレードポイントを確認するようにしてみます。

 

松下:例えば、今、福井さんが口頭で言われたMACDのクロスとRSIの値によるエントリーサインを確認してみると、手元のユーロ/円のチャートでは4回のエントリーチャンスがあることになります。

 

このようにして、自分の考えているトレードルールのチャートポイントを、過去のチャートの中に確認することで、そのルールやエントリーサインの優位性を確認するのです。

 

福井:今回の事前課題に取り組んでみて、「紙に書く」という作業の大切さが分かりました。またチャートをプリントアウトして確認すると、PCで見ているのとは、全く違うイメージになり、より深く理解できました。

 

松下:PCのモニターでチャートを確認していると、常にローソク足が動いており、集中できません。しかし、プリントアウトして分析や検討を行えば、冷静に深く分析や検討を行うことができ、非常に効果的です。

 

福井:やっと腑に落ちた感じがします。

 

松下: 今日は、日足だけを対象としてお話していますが、同じ考え方を週足や月足のチャートで確認することで、より長く大きい環境認識を行うことができます。

 

福井さんはこれまで、MACDやRSI自体は知っていましたが、その使い方までは、深く理解していなかったということになります。これから徐々に、その使い方を深く理解していきましょう。

 

福井:理解として、落とし込めていなかったということですね。

 

松下:先ほど紹介した拙著にはMACDもRSIも、両方解説していますので、しっかり読んで、理解を深めてください。

 

次に、福井さんのトレードスタイルを探る上で、小さくてもコツコツ確実な利益を重ねたいか、勝率が低くても、損切りに耐えながら、時々でいいので大きな利益を手に入れたいか、どちらでしょうか?

 

福井:小さくてもいいので、勝率を高くしてコツコツ勝ちたいです。

 

松下:それでしたら、トレンドの継続点で、順張りのトレードを行うようにします。トレンドと同じ流れの方向にエントリーを行い、小さい利益幅で利食いを行い、勝率を高くするようなトレードスタイルです。

 

福井:私がこれまでに行ってきたトレードは、どうですか?

 

松下:事前課題で提出していただいたトレードは、中長期のトレンドに対して、転換点での逆張りになっています。

 

福井:どうしても、その時、その時で悩んでしまいます。

 

松下:トレードを行う時になって悩むということも、事前にトレードの根拠や目標が決まっていないという、トレードルールの欠如が大きい原因です。

 

勝率の高いトレードスタイルを目標としていますので、中長期のトレンドと短期のトレンドが同一の方向を向いているような条件下でのみトレードを行うようにすれば、勝率が上がってくると思います。この条件の絞り込みも、先ほどから取り上げているMACDやRSIを使って可能ですので、ぜひ検討してみてください。

 

FXトレードに必要な作業とは、9割以上が準備です。過去の値動きを振り返ることで、将来の利益が見えてきますので、しっかり準備をおこなってください。

 

福井:今日は本当にありがとうございました。いいチャンスをいただきました。

 

福井さんへの処方箋
1.教科書を用いたFXへの知識と理解の拡大
2.トレードターゲットの決定
3.MACDとRSIの使い方を熟知する

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(ライター:104m)