2016年01月28日

投資家の診療所vol18『「勝てる」と思えるまで勉強する!』

松下誠のインベスターズクリニック(個人投資家の診療所)

 

本コーナーでは、独学で奮闘を続ける個人投資家と実際にお話をする中で、その人の問題点を浮き彫りにし、解決策の提案や指導を行います。相談者が抱える問題は共通している部分が多く、多くの個人投資家の参考になるはずです。自分では気づけていない課題や解決策を、当クリニックの相談例を見ながら解消していただければと思います。

 

「勝てる」と思えるまで勉強する!
今月の相談者:桑野さん(仮名) 20代 男性 FX投資歴 数か月
診断結果:基礎知識不全症、トレード目標欠損症

 

松下:どんなきっかけでFXへの興味を持つようになったのか、教えてください。

 

桑野さん:近くアメリカに行きたいと思っていて、米ドルへの両替を考えた時に、数年前に70円台だったレートが、最近では120円を超えていて、為替レートの変動に対して、急に興味が湧きました。また、大学において、国際経営学科で学んだことも影響して、FXに興味を持ちました。

 

松下:FXに興味を持ってからは、どのように情報収集しましたか?

 

桑野さん:実は、高校生の時に、ある知人に、「本当にお金のことを勉強したかったら、松下誠という人がいいよ」を言われたことがあって、誰なんだろうと思って、心のどこかでひっかかっていました。今回、FXに興味を持って、当時のことを思い出し、ネットで「松下誠」を検索して、先生のホームページに辿り着き、先生の本を読んで、面白いと思いました。他にも先生が紹介されていた2冊の本を読んでみました。

 

松下:これから本格的にFXを学んでみたいという気持ちをお持ちですので、まずは、3冊の本を読み返してみましょう。それも一度だけではなく、何回か読み直してみてください。その作業の中で、3冊の中でも、いずれかの本が特に気になってくると思います。その時点で、その本をお手本や教科書として、さらに深く学ぶようにしましょう。まずは何度も読み返してみて、内容を理解するようにしましょう。また、本に書いてある内容を、実際のチャートで確認してみることも良いでしょう。

 

多くの個人投資家は、独学で投資に対する理解や知識を深めようとしますが、それには自ずと限界があり、効率も悪いです。

 

既に桑野さんは、実際の売買を始めていますが、事前課題を確認すると、今は利益を上げられるだけの十分な理解や知識がありませんので、一旦トレードを止めて、勉強の時間を取りましょう。

 

桑野さん:「今は、トレードする時ではない」というアドバイスは、素直に頷けます。今は、利益を上げられるだけの状態ではないと思いますので、トレードを止めて、勉強する時間に充てたいと思います。その上で、勉強を続けていき、どのような状態になったら売買を始めて良いのでしょうか?

 

松下:まず日記をつけてみると良いでしょう。

 

桑野さん:投資日記というのは、どういうものでしょうか?

 

松下:これから通貨の売買を行っていくにあたり、毎日ある特定の通貨の価格を観察しながら、それに対する方向性の判断や売買判断を、その判断理由とともに書き残していきます。この時に、価格や売買判断だけでなく、その時の気持ちや感情も同時に書き残していくと、価格の動きと感情の動きの関係性を、後から振り返ることができます。

 

日記を書く上で大切なことは、一定期間継続すること。そして、定期的に振り返って確認を行うこと。その意味では、あまりたくさんの通貨に対して日記をつけるのではなく、1通貨か2通貨くらいでいいでしょう。

 

単純にその日の価格を確認して、その価格での売買戦略を考えて、そのまま書き留めるようなイメージです。

 

桑野さん:実際の売買は行わないけれど、シミュレーションをしているようなイメージでしょうか。

 

松下:その通りです。毎日、日記の紙面で行う売買シミュレーションです。あまりダラダラと書いても、まとまりがなくなってしまいますので、簡潔に書くように努めてください。

 

私たちは、頭の中で行う思考というものを記憶しておくことはできません。全て忘れてしまいます。記録に残さない限り、市場の変化から学ぶことはできませんので、記録に残すことで学ぶのです。

 

日記を書き続けて、半年ほど過ぎると、毎日日記の紙面で繰り替えされるシミュレーションの中で、自分の売買戦略の精度のようなものが見えてきます。その中で、一定の精度で勝てそうだと思えるようになってきたら、実際の売買に移れば良いでしょう。

 

桑野さん:勝てる自信がない時には、やらないということですね。

 

松下:その通りです。自分が勝てそうだと思うればトレードを行えば良いですし、まだまだ勝てそうにないと思えば、勉強を続けると良いのです。

 

加えて言えば、なぜ自分が儲かるのか、という勝てる理由を作るようにします。勉強して、毎日チャートを確認して、日記を書いていると、3か月~半年くらいで徐々に市場が理解できるようになり、トレードを行いたくなるでしょう。そのくらいを目途にしてみてください。

 

日記をつけ続けていくと分かりますが、意外と売買チャンスというのは少ないことに気づきます。それに気づくことができれば、無駄な売買が減り、売買回数も少なくなります。

 

桑野さん:自分のトレードを振り返ってみても、売買回数が少ない方がいいと思うようになりました。

 

松下:これから市場やFXトレードに対する理解や知識を広げていくに当たり、もう1つの大切なアドバイスは、資金管理に対する意識を厳格に持つことです。

 

FXトレードは投資ですので、お金が増えることもあれば、減ることもあります。だからこそ、増えるお金と減るお金の両方を自分で管理し、お金が減ることに対する覚悟をしなければいけません。投資を行う限り、必ず巡ってくる損失の時間=ドローダウンを乗り越えられなければ、目標には到達できないので、そのことも忘れず、資金管理を徹底するようにしてください。

 

桑野さん:自分の資金に対して、大きすぎる損失は耐えられないと思いますので、気を付けるようにします。

 

松下:これから本を読み返し、毎日日記をつけながら市場や価格について学び、最終的には事前課題としてお渡ししたトレードルールを作ることを目指してください。

 

そのためには、桑野さん自身が獲りたいと思う、値動きの目標を決めることから始まります。

 

桑野さん:自分が獲りたい値動きの目標とは、どのようなものでしょうか?

 

松下:過去の様々な期間のチャートを見比べて、その中から、特徴的であり繰り返し現れるチャンスと思える値動きが、自分の獲りたい値動きの目標になります。

 

多くの投資家は、目標となる値動きを決めることなく、トレード技術や手法で利益を上げようとします。しかし本来、全てのトレード技術や手法は、何らかの目標を達成するために作り上げられたものです。その目標が自分の目標と一致もしくは近くなければ、そのトレード技術や手法を採用する意味はないのです。そのことを踏まえて、最初にトレード目標を決めた上で、トレードルールを作っていくようにしてください。

 

桑野さん:今は、移動平均線を使うか、一目均衡表を使うかで迷っていますので、改めてトレード目標を探してみて、それに適した指標を使うようにします。

 

今日のお話を聞いて、まだまだ自分には勉強の時間が必要だと分かりました。やることが明確に見えてきましたので、これから改めて勉強を開始します。

 

桑野さんへの処方箋
1.既に読んだ3冊のFX本を読み返す
2.投資日記をつける
3.トレード目標を決め、トレードルール作りを開始する

Bookmark this on Google Bookmarks
Bookmark this on Livedoor Clip
LINEで送る
Pocket

(ライター:104m)