2015年03月01日

2月26日のニュース解説:公務員年金、国内株25%に

日本経済新聞2015年2月26日5面記事より
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公務員年金、国内株25%に
GPIF構成に連動
国・地方・私学 30兆円の運用見直し
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国家公務員の年金資産を運用する国家公務員
共済組合連合会は25日、資産構成の目安を見直して、国内株式の比率を8%から25%と3倍に増やすと発表した。国内債券は74%から35%に下げる。同日から適用した。会社員の厚生年金との一元化を10月に控え、130兆円の公的年金を運用する年金積立金管理独立行政法人(GPIF)と同じ資産構成にする。

(日本経済新聞より)

 

国共済の運用資産総額は7.6兆円(2014年3月末)で、年金積立金管理独立行政法人(GPIF)の130兆円と比べれば、運用資産規模は小さいといえます。しかしながら、この動きとともに、地方公務員の年金を運用する地方公務員共済組合連合会(運用資産18.9兆円)と私立学校の教職員の日本私立学校振興・共済事業団(同3.8兆円)も同様の目安の導入するとみられており、計30兆円の共済年金の投資先の見直しは、金融市場にも大きな影響を与えるとみられています。

 

ゴールドマン・サックス証券の試算では、3共済がGPIFと同じ目安を導入すれば、5.1兆円の国内株式の買い増しが生まれ、「定期的に日本株の買いが発生し、実需の面から株価へを下支えする」と記事の中に書かれています。

 

この運用方針の変更による、市場環境の変化は、ここ数年各所で確認されており、明らかな環境変化が進んでいくことを意味しています。環境や制度、法律の変化は、それまで想像できない変化や値動きを起こさせる可能性を持っており、この点において、投資家は柔軟に発想の転換を行なうことが必要です。

 

もう1つ、この記事を読んで気になる点は、『厚生年金などの130兆円の積立金を運用するGPIFは昨年10月、国内外の株式比率を倍増する新しい目安を発表した。厚生労働省から指示された「賃金上昇プラス1.7%」という高い利回りを達成するには、利率が低迷する国債中心の運用では難しいと判断したためだ。』という記述です。

 

投資は、本質的な意味で、リスクを持っています。リスクとは、不確実性を意味し、将来を約束されるものではない。まして、130兆円、あるいは数十兆円という資金規模は、明らかに市場において不利な性質を持つだけの運用資産規模であり、その点においても、さらにリスクが上がります。

 

しかしながら、上記の厚生労働省からの指示は、失敗を許されない上に、高いハードルを設けており、そのハードルの設定は、各種年金制度の維持の目的から逆算されていることを考えると、年金制度の維持そのものが脆弱な前提の上に成立していると考えざるを得ず、年金制度および年金運用に関して、根本的な見直しを行う必要はないのかと疑問に思うものです。

 

この記事は、国内外市場環境の変化と、年金運用制度の課題の2つが見える、極めて重要なニュースです。

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(ライター:104m)