2015年04月06日

4月5日のニュース:株主還元、最高の13兆円

日本経済新聞2015年4月5日1面記事より
株主還元、最高の13兆円
上場企業 資金活用に動く

上場企業の配当や自社株買いによる株主還元は2014年度に約13兆円と、7年ぶりに最高になる見込みだ。純利益額の4割強に当たる。構造改革や円安の効果などで業績が拡大し、企業は積極的な設備投資や賃上げにも動き始めた。稼いだ利益や資金をため込まず有効活用することで、消費や生産など幅広い景気の押し上げが期待できる。(日本経済新聞より)

日本経済新聞社がすべての上場企業(約3600社)について14年度実績・予想を集計したところ、株主に直接現金を支払う配当金の総額は9兆5000億円で前年度比10%増加で、2年連続の最高、増配・復配は、社数が多い3月期決算だけで764社、3社に1社の割合にのぼると記事に書かれています。

また、上場企業全体では、株主還元の総額は12兆8000億円と22%増え、純利益の増加率(3%)を大きく上回っているそうです。つまり企業は、収益の増加以上に、株主に対する還元を厚くしており、ここ最近の株主に向きあった企業姿勢の変化が反映されているといえます。

フランスの経済学者 トマ・ピケティ氏は、その著書「21世紀の資本」の中で、資本収益率(r)>経済成長率(g)という数式で、現在の資本主義においての格差の拡大に警鐘を鳴らしました。上記の記事では、株主を資本家と定義すれば、資本家の受け取る還元率の増加が企業の収益の増加を上回っており、ピケティ氏が提唱する理論の一旦を垣間見ることができます。

今の日本では、以前と比較すると随分と少額から株式投資を始められる環境が整い、資本家とは呼べない個人投資家でも、自分の範囲内で株式投資を行い、企業からの還元を受け取ることが可能になっており、個人投資家はこの部分の意識改革を行っていく必要があります。

上記記事を、自分には関係のない富裕層にだけに恩恵があることだと読むのか、それとも、どうすれば自分も、この過去最高の株主還元を恩恵にあずかることができるのかと考えるのかで、今後の私たちの歩む道は大きく変わってきます。

 

また、株主還元が過去最高水準になった現時点では、すでに株価も15年ぶりの高値圏にあり、今の価格帯よりもはるかに低位に甘んじていた2008~2012年に、株に資金を投じることができていたら、株価の上昇益と過去最高の株主還元の両方を享受できることも忘れてはいけません。

 

2008~2012年の株価低迷期に株式投資を行うことは、それそのものが先の見えないリスクを有していました。しかし、投資では適切にリスクを取った者こそが、大きいリターンを得ることも、目を背けることのできない事実なのです。

このことを考えると、個人投資家が目指すべきは、自分の資産に対して、適切に、そして最大のリスクを許容していくことなのです。

「株価は半年先行する」

 

市場の中で、昔から言われる株価と実体経済のかい離をさすことわざです。「市場が熱狂を帯びる前に、冷静にリスクを見極め許容する」そんな投資家になることができれば、市場では頭角を表す存在になっていることでしょう。

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(ライター:104m)