2015年01月05日

トム・バッソの禅トレード

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著者:トム・バッソ パンローリング株式会社
株式、FX、商品先物、全ての市場の投資家向け 初心者、初級者、中級者向け

 

トレーディング業界のバイブルである「新マーケットの魔術師」に取り上げられた、トム・バッソによる投資心理学を分かりやすく解説した本。原題が、「PANIC-PROOF INVESTING」となっており、著者の言葉の中に、「フラストレーションなしの資産運用」という表現(日本語訳)があり、個人投資家がいかに精神的な安定を保ちながら投資を行なうかをアドバイスする内容となっている。

 

本書は、個人投資家が賢明な投資を行なえるようにという目的で、実際に著者がアドバザーとして関わった個人投資家の様々な事例の中から、実例を用いながら、著者自身の知識と技術、経験に基づき示唆に富んだ解説を行ったものであり、身近に感じる分かりやすいものとなっている。

 

特に、第4章の「だれに責任があるのか?」や、第15章の「決断を下したら、次は実行だ!」、第17章の「成功するためにはエゴを捨てろ」などは、読者にとって耳の痛い内容であるがゆえに、大いに役に立つものであり、著者がどれほど個人投資家のことを考えながら書いたかが分かる内容となっている。

 

全てが実例であり、生々しい例であるがゆえに読みやすく、ある意味で、学ぶポイントが分からない錯覚を覚えるが、読み進めれば進むほど、その奥の深さ、学びの深さに気づかされる本である。特に投資の初心者、初級者にはぜひ一度読むことを奨めたい本である。誰もが経験する投資のジレンマと、それに対する教えが詰まっている。

 

著者が最終章第18章の「最後に思うこと」の中に書いてある言葉が印象的なので紹介したい。

「わたしは手術室に行ってだれかの手術をしようなどとは思ったことは一度もないが、医師の多くはほとんど投資の勉強をしてもいないのに、休憩時間に電話を取って、投資の世界で生きているわたしと競うのは朝飯前だと考えている。」

 

投資の世界のプロたちは、懸命に学び、努力し、磨き上げ、厳しい世界で生き残りをかけている。しかし、投資の世界の素人である個人投資家は、上記の医師の例のように、投資を甘く見ている現実がある。それを学び、思いを改めさせてくれる本である。

 

アメリカの個人投資家の環境を前提に書かれている内容であり、日本の投資環境や投資商品とは随分異なるので、その点のイメージがつきにくいことが1つの難点である。

 

■■目次■■
謝辞
序文
はじめに

□第1章 ●イライラする投資家
□第2章 ●投資を成功に導く3つのカギ
成功の条件とは
投資戦略
資金管理
自分自身を理解する

□第3章 ●考え方は人それぞれ
お金は悪ではない
同じ出来事でも人が違えば見方も変わる

□第4章 ●だれに責任があるのか?
心のなかでバランスの取れたシナリオを描く
バランスの取れた考え方で氾濫する情報に対処する
計画を立ててから投資をする
利益が出たら税金を払う
契約書を読む
リスクにもいろいろある

□第5章 ●資金は運用会社に直接預けるな
うますぎる話には裏がある
資金は運用会社に直接預けるな

□第6章 ●バランスの取れた状態を保とう
バランスの取れた心理状態を維持する
映画に出演している自分を見るように投資を客観的に見る
うまくいかなかったときのことも考えておく

□第7章 ●うまくいっているものをいじるな
損失は問題ない
損失を抑える

□第8章 ●資産運用の監視法
適度な期間を置いて監視する
市場環境を調べる
市場環境が変わると投資収益がどう変わるのかを理解する
どんな投資にもリスクはある
投資という川でうまく舵取りをする

□第9章 ●素晴らしい運用実績を追い掛けるな
集団心理は間違っている

□第10章 ●これが良い投資話でなければ何なんだ?
価格が安いものはさらに安くなることがありうる
記者は自分の仕事をしているだけ
利食いは遅く、損切りは早く

□第11章 ●10年間の運用実績には要注意
トータルリターンは利回りとは一致しない
投資とうまく折り合いをつけて生活する
なぜ過去10年間の成績はそれほど素晴らしかったのか、その成績は今後も続くのか?
投資を始めるかやめるかを戦略的に決める
自分が耐えられると思っているものよりももう少し保守的なものを選ぶ

□第12章 ●分散しすぎるのもダメ
ポートフォリオを分散する
分散のしすぎはダメ
バランスの取れた分散をする

□第13章 ●儲けはどのように生まれるのか?
報酬はどのように発生するのか?

□第14章 ●情報におぼれないようにする
頼むから事実を教えてくれ
投資判断は十分な情報を集めてから

□第15章 ●決断を下したら、次は実行だ!
プレッシャーのない状態で投資判断を下す
情報を集める
決断を下す
決断したらすぐに引き金を引く

□第16章 ●針路を保つこと-最も難しい決断
ときには針路変更も必要
針路を保ったほうが良い場合もある

□第17章 ●成功するためにはエゴを捨てろ
サービスの良さと投資収益率とは関係ない
投資をするときにエゴは危険

□第18章 ●市場はランダムではない、そして皆さんに伝えたいこと
私生活が投資結果を左右する
コスト削減と収益増大
プロセスに集中すれば結果は自ずとついてくる
投資は鏡のようなもの
投資ではエゴを捨てろ
最後に思うこと

要点とチェックリスト
読書のススメ

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(ライター:104m)