2015年02月23日
株で富を築く バフェットの法則
著者:ロバート・G・ハグストローム
ダイヤモンド社 株式市場 全ての投資家向け
世界で最も偉大な投資家、ウォーレン・バフェットの投資手法・投資哲学を紹介する本。個人投資家が株式投資を行う際に、必ず読むべき本である。ウォーレン・バフェットは世界で最も成功した株式投資家であり、60年にわたり株式投資の最前線で大きい実績を上げ続けてきた、その事実そのものが株式投資家のお手本であることを意味する。
バフェットの手法は、「生涯保有」という言葉でも表される通り、長期保有である。自分が理解できる企業であり、合理的な経営者によって運営され、将来的に安定した収益の見込める会社の株を、割安に買うというシンプルな原則に集約される。言葉でいうのは簡単に聞こえるが、個人投資家がバフェットと同じレベルや深さで、同じことを行うことは難しい。しかし、バフェットと同じことができなくとも、この本には株式投資の本質が記されており、バフェットの投資哲学を学び、参考にすることで、個人投資家の株式投資の精度は飛躍的に向上するだろう。
株式投資の本質が集約されている以上、長期・短期いずれの投資スタイルに関わらず全ての株式投資家に熟読して欲しい本である。私は、10数年前に一度本書籍を読み、今回読むのは二度目だった。しかしながら、一度目の読了の際には、この本の真の価値を理解できなかった。10数年を経て、その間、株式市場での投資経験を続けて、今、この本の真の価値、深い価値に大きい感銘を受けた。その意味では、この本の価値が分からないようでは、株式市場や株式投資の本質を理解できていないと言い換えても良い本である。
株式投資を志す全ての個人投資家に、読むことをお薦めする良書である。
■目次
最新版に寄せて(ハワード・マークス)
はじめに
第1章 世界最高の投資家はどのように生まれたか
1 バフェットが誕生してから投資を始めるまで
2 バフェット・パートナーシップの誕生
3 新しい投資会社バークシャー・ハサウェイ
4 バフェットとバークシャー・ハサウェイの特徴
5 並外れた結果を出すために、並外れたことをする必要はない
第2章 バフェット流投資の原点
1 価値あるものを安く買う-ベンジャミン・グレアム
2 成長と集中を学ぶ-フィリップ・フィッシャー
3 良質の企業を買う-チャーリー・マンガー
4 影響が混ぜ合わさってバフェットの投資が生まれた
第3章 12の原則で事業を買う
1 事業に関する原則
2 経営に関する原則
3 財務に関する原則
4 市場に関する原則
5 長期的な株価を分析する
第4章 9つのケーススタディで学ぶバフェット流投資法
1 ワシントン・ポスト
2 GEICO
3 キャピタル・シティーズ/ABC
4 コカ・コーラ
5 ゼネラル・ダイナミクス
6 ウェルズ・ファーゴ
7 アメリカン・エキスプレス
8 IBM
9 H・J・ハインツ
10 全ての投資に共通する基準
第5章 バフェットのポートフォリオ管理
1 フォーカス投資とは何か
2 フォーカス投資を支える数字
3 グレアム・ドッド村に住むフォーカス投資家たち
第6章 バフェットの投資心理学
1 心理学と経済学が交わるところ
2 行動ファイナンス
3 バフェットはどう乗り越えているか
4 心理学が重要である理由
第7章 投資に必要な忍耐力
1 長期間が大事
2 合理性とは何か
3 ゆっくり伝わる情報
4 システム1とシステム2
5 マインドウェア・ギャップ
6 時間と忍耐
第8章 なぜバフェットだけが偉大な投資家になれたのか
1 バフェットのプライベート・ライフ
2 バフェットの優位性
3 バフェットのように考える
4 あなた自身の流儀を見つけ出す
付録 ウェブサイトについて
謝辞
解説(ピーター・リンチ)