2015年04月13日

賢明なる投資家 割安株の見つけ方とバリュー投資を成功させる方法

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賢明なる投資家 割安株の見つけ方とバリュー投資を成功させる方法

著者:ベンジャミン・グレアム パンローリング社

株式市場の全ての投資家向け

 

「オマハの賢人」、「株式投資の神様」と呼ばれる、ウォーレン・バフェットが師と仰いだ、ベンジャミン・グレアムの名著。タイトルの通り、賢明な投資家とは、どのようなスタンスや考え方で、株式投資に臨むかという、投資家のスタイルに応じた投資法を解説した本。一貫して、企業価値が高く、割安に位置している銘柄を、明確な安全域を確保して購入するという、バリュー投資について解説されている。

 

アメリカで初版が発売されたのは、60年以上前であり、それゆえ掲載されている銘柄や市場の様子は時代背景を写したものとなっているが、それが全く古さを感じさせず、いつの時代の株式投資にも通じることだと分かり、株式投資のある種の普遍性に気づくことができる。そういう意味では、株式投資の本質を解説した本であり、長期投資家だけではなく、短期のトレーダーにも読んで欲しい本。株式投資で資産形成を目指す投資家の全員に、一度は読んで欲しい。

 

初心者投資家は、一読しただけでその内容を理解できないと思う。しかしながら、逆に考えれば、本書の内容を理解できないうちは、株式投資の本質を理解できていないと思われるので、無理に投資を行うのではなく、本書の内容が理解できるまで何度も読みかえして欲しい。著者の推奨する投資手法が、価値が高いのに割安に放置されている株を買うという、バリュー投資であるがゆえ、ファンダメンタル分析の考え方が詳細に解説されており、分かりやすく、お勧めである。私は、ファンダメンタル分析について、これほど分かりやすく、的を得て解説している本を読んだことがない。

 

「割安株を買う」という著者の考えを、ウォーレン・バフェットが巻末の「補遺」の中で、端的に表現している。それは「一ドル札を40セントで買うという概念だ」。この一言を読めば、この投資の真髄が容易に理解できる。また、著者の「安全域」という考え方は、非常に有効だ。この安全域は、投資を検討する際に、各種の財務データを検証した上で、より慎重にクッション=余裕を持たせた上で、最終的な投資判断を行うという考え方だ。この安全域は、資金管理に直結する優位性のある考えと言える。世界最高の株式投資家 ウォーレン・バフェットが師と仰ぐ人の本である。間違いなく、私たち個人投資家も師事するべきである。

目次

 

監修者まえがき

謝辞

序文 ウォーレン・バフェット

まえがき-本書の目的

 

第1章 投資と投機-賢明なる投資家が手に入れるもの

投資と投機

防衛的投資家が手に入れるもの

積極的投資家が手に入れるもの

 

第2章 投資家とインフレーション

インフレと企業収益

インフレの防衛手段としての普通株の代替

結論

 

第3章 株式投資の歴史-1972年初めの株価

1972年初めの株式市場の水準

どの道を行くべきか

 

第4章 一般的なポートフォリオ戦略-保守的投資家

債券と株式の投資比率を決めるときの基本的な問題

債券の部分

ストレート-非転換の優先株

証券形態

 

第5章 防衛的投資家のための株式選択

普通株投資の長所

組み入れ株式の基準

成長株と防衛的投資家

ポートフォリオの変更

ドル・コスト平均法

投資家個々の事情

「リスク」の概念について

「財務内容の良い有名な大企業」とは

 

第6章 積極的投資家の分散投資-消極的な方針

二流債券と優先株

外国政府債

新規発行債券一般について

新規普通株の発行

 

第7章 積極的投資家の投資-積極的な方針

普通株の売買

相場全般の方針-分散投資の割合をどのタイミングで変えるか

成長株への投資

積極的投資家に勧める三つの分野

われわれの投資法則の持つ広い意味

 

第8章 投資家と株式市場の変動

投資判断の指針としての株価変動

安きを買い、高きを売る

フォーミュラ・プラン

相場の変動と投資家のポートフォリオ

業績評価と株式市場評価A&P社の例

まとめ

債券価格の変動

 

第9章 投資ファンドへの投資

投資ファンドの実績全般

「パフォーマンス」ファンド

クローズドエンド型ファンドとオープンエンド型ファンド

バランスファンドへの投資

 

第10章 投資家とそのアドバイザー

投資顧問と銀行の信託サービス

投資情報サービス

証券会社によるアドバイス

金融アナリストのCFA資格

証券会社との取引

投資銀行

その他のアドバイザー

要約

 

第11章 一般投資家のための証券分析

債券分析

普通株の分析

還元利回りに影響を与える要因

成長株の「還元利回り」

業界分析

価値評価のための作業分担

 

第12章 一株あたり利益に関して

平均収益の利用法

過去の成長率計算

 

第13章 上場四企業の比較

四社における全般的な所見

 

第14章 防衛的投資家の株式選択

1970年末のダウ工業株をわれわれの基準に照らすと・・・

公益企業株という「解決策」

金融株への投資

鉄道株

防衛的投資家の選択

 

第15章 積極的投資家の株式銘柄選択

グレアム・ニューマン社が行った売買方式の概要

二流企業

株式ガイドの情報を選り分ける

単一基準による株式の選択

正味流動資産価値以下の割安銘柄

特別な状況-「骨の折れる仕事」

 

第16章 転換証券とワラント

普通株に対する転換証券の影響

普通株から優先株への望ましい切り替え

ストック・オプション・ワラント

補足

 

第17章 特別な四社の例

ベン・セントラル鉄道

リング・テムコ・ボート社

NVFのシャロン・スチール買収(収集品として)

AAAエンタープライズ

 

第18章 八組の企業比較

一組目:リアルエステート・インベストメント・トラスト(店舗、事務所、工場等)と、リアルティエクイティーズ・オブ・ニューヨーク(不動産投資、総合建築)

二組目:エア・プロダクツ・アンド・ケミカルズ(産業用、医療用ガスなど)と、エア・リダクション(産業用ガスと装置、化学品)

三組目:アメリカン・ホーム・プロダクツ(薬品、化粧品、家庭用品、キャンディ)と、アメリカン・ホスピタル・サプライ(医療用医薬品、医療用器具の製造販売)

四組目:H&Rブロック(所得税サービス)と、ブルーベル(作業着、制服等の製造販売)

五組目:インターナショナル・フレーバーズ&フレグランス(他企業向けの香料など)と、インターナショナル・ハーベスター社(トラック製造、農業機械、建設用機械)

六組目:マグローエジソン(公益事業と設備、家庭用品)と、マグローヒル(書籍、映画、教育システム、雑誌と新聞の出版事業、情報サービス)

七組目:ナショナル・ゼネラル(大型複合企業)と、ナショナル・プレスト・インダストリーズ(各種電気器具、兵器)

八組目:ホワイティング(資材運搬機器)と、ウィルコックス&ギブズ(小型複合企業)

 

第19章 株主と経営陣-配当方針

株主と配当方針

株式配当と株式分割

 

第20章 投資の中心的概念「安全域」

分散投資の理論

投資と投機の判断基準について

投資概念の拡大

むすび

 

補遺

1.グレアム・ドッド村のスーパー投資家たち ウォーレン・バフェット

2.投資による収入と証券取引に関する重要なルール(1972年)

3.株式の新たなる投機性

4.ある事例―エトナ整備会社

5.NVF社のシャロン鉄鋼取得における会計処理

6.投資対象としてのハイテク企業

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(ライター:104m)